老後寝たきりや認知症を防ぐカギも血糖値【眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話】

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 肌にシミやシワが増えたり、ひざや腰が痛んだり、加齢によって起こるさまざまな変化にも高血糖が関係していると考えられています。血糖値が高い状態が続くと、血液中にブドウ糖があふれることになり、やがて、それがタンパク質と結び付きます。これが「糖化」という反応です。糖化によってタンパク質が劣化するとAGEs(終末糖化産物)という物質が生まれ、これが蓄積されると体の機能が低下し、老化現象として現れます。また、血糖値スパイクといわれる、食後高血糖によって引き起こされる血糖値の急激な上下動も酸化ストレスを生み、こうした老化を進ませる一因にもなります。
 さらに、血糖異常の人は、そうでない人に比べアルツハイマー型認知症の発症リスクが1.6倍高いことがわかっています。*1 脳血管が動脈硬化症で障害を受けるだけでなく、脳細胞そのものが高血糖の負担で老化してしまうからです。
 カロリー制限は骨や筋肉を衰えさせます。*2 高齢者に増えている「ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)」は筋力と骨密度の低下により、転倒しやすくなったり、簡単に骨折したりするなど、寝たきりの要因になると問題視されています。ロカボなら、筋肉量を維持したまま血糖値を下げられ、認知症の発症や寝たきり予防につながると期待されるのです。
*1. J Alzheimers Dis 2009; 16(4): 677-685
*2. Nutr Rev 2010; 68(7): 375-388
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
山田 悟 (著)