浅野いにお氏、実写『うみべの女の子』への熱い想い語る

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『ソラニン』『おやすみプンプン』などで知られる漫画家・浅野いにお氏が3日、都内で行われた映画『うみべの女の子』公開記念舞台あいさつに、主演の石川瑠華、青木柚、ウエダアツシ監督とともに登壇した。
 今作は浅野氏が2009年から13年まで連載した傑作コミックを2010年4月公開の『ソラニン』以来、11年ぶりに実写映画化。思春期の繊細で残酷な「恋」と「性」を、海辺に暮らす少女と少年の姿を通して描く。「この10年間、僕の場合、実写化あまりこなかったし、内容も過激だったので、期待もしていなかったけど妙なタイミングでお話がありまして。ウエダ監督と会う機会があったんですけど、僕と監督は世代が同じで、今まで見てきた景色が同じ、作品に対して尊重してくれる実感がありましたので、お任せしてもしても大丈夫という印象だった」と信頼を置き、企画から5年かけて公開に至った。
 オーディションで抜てきされた主演2人について浅野氏は「オーディションの以前から青木さんに関する情報は事前にもらっていて正直、青木さんじゃないと成立しない前提があった」と話すと、青木は「まじかぁ…」と脱力しながら驚きの表情。
 一方、「石川さんに関しては難航していて、石川さんだけその日の都合が合わなくて別日のオーディションだった。会場に行くビルのエレベーターで制服を着た小さい女の子がいて『なんでこんなビルに、小さい子が?』と思って一緒に乗ってたんですけど…」と初対面を振り返ると、「中学生の役は難しいと思うんですけど、石川さんをオーディションで見た時に満場一致でこの人しかいないとなったという感覚があったので救われたと思います」と太鼓判を押した。
 互いの印象について、石川は「柚くんとは現場で、磯辺と小梅のような、近いのか遠いのかわからない。なんか特別なことは言えたり、他の人に言えないことを言える関係だった。今は一緒にいることが居心地がいい。本当です。取材の時に緊張してたら、現れた瞬間に解けました」と明かし、青木は「初めて会ったときから小梅への思い入れが石川さんからとても感じられて、現場でも小梅であろうとする意思に僕自身とても助けられましたし、石川さんにしか分からない芯をしっかり持っている方だと。撮影から今まで一貫して感じています」と尊敬のまなざしを向けた。
 劇中では画へのこだわりもあったようで、浅野氏は「デジカメの中の写真の水着の柄から構図までほぼ完全再現。ほかにも台風で看板がひっくり返るとか、なかなか狙ってできないのに角度まで一緒。美術の方の執着を感じました」と賞賛。ウエダ監督は「浅野さんの原作は、実際の写真から描き起こされている背景が多いので、そこを映画化するならできるだけ同じ構図で撮りたかった。行くと漫画原作なんですけど、お芝居するのもね」と話すと石川も「すごく世界観に入り込みやすかったです」と納得。ウエダ監督は「僕も『うみべの女の子』のファンとして映画を監督することになり、できるだけ原作に近づけようとしました」と胸を張っていた。