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※ 視聴回数は1日1回更新されます。俳優・役所広司、松たか子、小泉堯史監督が2日、都内で行われた映画『峠 最後のサムライ』(6月17日公開)の完成披露試写会で舞台あいさつを行った。3度の公開延期を経て迎えたこの日に、役所は「いろんな事情があって公開が遅くなってしまいましたが、なんだか、この映画が持つメッセージにおいては、考えさせられる時期の公開になった」と、カメラのフラッシュを浴びながら、噛みしめるように語った。
歴史小説界の巨星・司馬遼太郎が、幕末の風雲児と呼ばれた、越後長岡藩家老・河井継之助(かわい・ついぎのすけ)を描いたベストセラー『峠』を、黒澤明監督の助監督として経験を積んだ小泉監督が脚本も手がけて映像化。
一介の藩士でありながら、諸国への遊学を経て培った先見性とグローバルな視野をもとに、領民のための斬新な藩政改革を次々に実行していた継之助。しかし、時流は倒幕へと傾き、サムライとしての使命と庶民を先導するリーダーとしての狭間で葛藤しながらも、やがて強大な武力を誇る明治新政府軍に立ち向かっていくことになる。
リーダーとしてのあるべき姿を問いかける本作の継之助を演じた役所は、監督からシナリオを受け取ってから5年。4年前の撮影を、「現場は黒沢監督時代を知る超ベテランと、それに憧れて入ってきた若い世代の混合チーム。こうやって映画作りは継承されていくんだな、というのを目の当たりにした」と振り返った。ロケではエキストラとして多くの長岡市民が協力してくれたことに感謝しつつ、「新政府軍と長岡藩に分かれていただいたんですが、新政府軍の役を与えられると嫌がる人が多かった。いまだに長岡魂は存在しているんだな」と、話した。