未来の医療はロボットが支える?リハビリテーション支援ロボット「ROBERT」

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朝日新聞社

bouncy / バウンシー

体を起こせない状態の患者にとって下肢を動かすことは、床ずれ、血栓、筋力低下などを防ぐうえで欠かせない重要なリハビリテーションだ。
しかし理学療法士や看護師が人力でサポートすると、筋肉を酷使するため身体の負担が大きい。慢性的な腰痛を引き起こし、貴重な医療従事者たちの労働時間を削ることにもなりかねない。
そこで注目されているのが、デンマークの企業が開発したリハビリテーション支援ロボット「ROBERT」だ。
「ROBERT」はキャスター付きでスムーズに移動でき、患者のベッド横に置いてコンセントにつなぐだけで簡単に起動できる。
操作手順もシンプルだ。まず患者の下肢にベルトを装着し、本体の位置を調整してキャスターをロック。装着したベルトと本体のアームを結合させる。
次に記録ボタンを押し、まず人力で下肢を動かして「ROBERT」にリハビリテーションの動きを記憶させる。あとはプレイボタンを押せば、「ROBERT」が記憶した動きを自動で繰り返してくれる。
動きは4種類まで連続で記憶でき、さらに「Guided(受動)」「Active(能動)」「Hybrid(受動+能動)」の3つのモードを選択可能。患者それぞれに適したリハビリテーションプログラムを1回につき40分程度まで設定できる。
患者自身もモニターで回数と結果を確認できるので、モチベーションを持って取り組みやすい。
「ROBERT」が革新的なのは、医療従事者の身体的負担だけでなく、時間的負担をも軽減する点だ。
従来の人力でのリハビリテーションは、理学療法士や看護師が一人の患者に付きっきりで行う必要があったが、「ROBERT」を使えば複数の患者に同時に対応できるようになる。
また、「ROBERT」にリハビリテーションを実施させつつ、その場で書類作成などのオフィス業務を行うことも可能だ。「ROBERT」導入による業務効率化で、医療従事者一人あたりの労働生産性は3倍に増える見込みだという。
患者に対しリハビリテーションを着実に実施できれば、回復が早まって入院期間が短くなり、結果的に医療費や社会保障費の削減にもつながっていく。
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医療現場とその先の社会全体を支えてくれる、救世主ロボットになるかも?