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※ 視聴回数は1日1回更新されます。見知らぬ場所を訪れたとき、初めて来たはずなのにどこか懐かしかったり、まるで自分を待っていてくれたかのような運命を感じたりすることがある。
そんな場所との出会いを、今までにない新しい指標で提供してくれるのが、日本のスタートアップが開発した地図アプリ「Placy」だ。
「Placy」が場所探しに用いる指標は「好きな音楽」。アプリを立ち上げるとSpotifyと連動して楽曲が表示され、ユーザーは自分の好みの楽曲を選択する。
するとアプリ側が、その楽曲を聴く他のユーザーがよく訪れている場所や、その曲に合う雰囲気を持つ場所を見つけ出しレコメンドしてくれる。
楽曲と場所のマッチングには、Spotifyが楽曲ごとに持つ「Danceability」「Tempo」などの分析パラメータを活用。
そこに「Placy」が独自にスコアリングした空間特性データを掛け合わせることで、ユーザーの感性にマッチする場所を導き出すしくみだ。
人間の価値観が多様であるのと同様に、場所にもその空間ごとの文化や物語が存在する。しかしそういった「情緒」のようなものは定量化や可視化が難しく、つい経済合理性の方が優先されがちだ。
そうして街はどんどん均質化し、私たちはその場所本来の情緒に触れる機会を逸していく。誰かが決めたレビューやランキングに従って行き先を決め、結局いつもと同じような風景に出くわしてばかりになる。
「Placy」は現代のそんなフラストレーションを、情緒的価値をデータ化することによって打開しようとしている。
さらに今後は、「Placy」で収集したデータを都市解析分野に活用することも視野に入れているという。経済合理性だけでなく、その場所が持つ情緒的価値もまちづくりの指標として定着する未来を目指している。
レビューでもランキングでもない、自分の感性に基づいて、あなたの「特別な場所」を見つけてみては?