収穫作業はAI×ロボットで!日本農業の未来を変える「inaho」

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Viibar inc.

bouncy / バウンシー

農業労働力は脆弱化の一途、歯止めになりうるAI
農業就業人口は、335万人(農林水産省 ’17年調べ)と10年前(‘07年)より19.0%、5年前(’12年)より13.8%減少と、減少幅は拡大。人口減少や高齢化で担い手が減っている問題から日本農業の存続が危ぶまれている。
その問題の解決策となりうるのが、AIロボットの導入だと言われる。なかでもinahoは「テクノロジーで農業の未来を変える」として17年に設立された。収穫に適した野菜だけを自動で選んで収穫するロボットを開発し、作業効率をロボットで高め、少ない人手で高収益を上げられるようにするのを目標としている。
搭載された人工知能(AI)は深層学習を活用し、収穫できるようになる。ロボットの左右に付いている赤外線センサーが、収穫対象を感知し、収穫に適したサイズかどうか判断し、収穫する。プログラミングが埋め込まれた白線の上をロボットが自律走行するほか、野菜の種類をまたいで収穫ができる。
農機メーカーは売り切り型のビジネスモデルが一般的なのに対し、inahoはロボットを無料で農家に提供し、収穫量と市場価格をもとに一定率の手数料をもらう仕組み。
あえてロボットに名前を付けない
このサービスを2019年春から佐賀県でローンチするinaho(株)の代表取締役である菱木氏から話を伺う事ができた。
ーーーこの事業を始めたきっかけは?
AIを使った別の事業を進めている時に、地元鎌倉の農家さんから「雑草を取ってくれるロボットを作って欲しい」というリクエストが来ました。その作業に取りかかって以来、農業の大変さとやりがいに気がつきました。米などと違い、収穫段階で選定の精度が必要となる野菜や果物に関しては、テクノロジーが介入出来ていなかった。そこで、この事業への可能性を感じました。
ーーー社内でも「収穫ロボット」と呼ばれていますが、明確な名前は付いていないんでしょうか?
あえて名前は付けてないんです。それぞれの農家さんに、「花子」とか名前を付けてもらって、愛されて欲しいからです。
ーーー実際に収穫ロボットを使われた農家さんには、どういう変化が?
ポジティブな変化が見られている印象です。腰や肩の酷使が減ったという、肉体的負担の軽減や収穫量が上がったので、農地面積を拡大された方もいらっしゃいます。
ーーーこのサービスの展望は?
5月から佐賀県の方でサービスを開始していく予定です。今年中に40台、2022年には8400台を導入していきたいと思っております。現時点でこのロボットが収穫可能なのはアスパラ、キュウリの2種類なのですが、まもなくトマトやピーマンなどの収穫も可能になっていく予定です。
ーーーどんな未来を実現したいですか?
我々のロボットを使う事によって農家さんに、労働力と圧倒的な時間が生まれます。
その時間を利用して生産面積を増やしていく、それによって売り上げ面積を増やしていく。それ以外にも付加価値高くするための作物の品種改良や、レストランに直売するなど販路の開拓など、生まれた時間によって新たな事に挑戦して頂けるとうれしいです。
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AIを搭載したロボットに、人間の作業を覚えさせていくことでできる事が増え、人的リソースの省力化が進められる。ロボットができる事はロボットにさせていくことで、人間はよりクリエイティブなことに専念できるようになる。
今後あらゆる面で、テクノロジーは人間のクリエイティビティを引き出してくれる重要なパートナーになりうるのではないだろうか