純文学初挑戦の市川沙央が芥川賞受賞&直木賞には足利尊氏を描いた垣根涼介と永井紗耶子の芝居小屋の仇討ち噺が同点で選出 芥川賞・直木賞の受賞作のあらすじをまとめ

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7月19日夜、芥川賞・直木賞の授賞式が行われました。
芥川賞には、市川沙央さんの「ハンチバック」、直木賞には垣根涼介さんの「極楽征夷大将軍」と永井紗耶子さんの「木挽町のあだ討ち」が選ばれ、各作者が受賞への思いを語りました。
市川沙央さん
「こうして芥川賞の会見の場にお導きいただいたことは非常にうれしく、我に天祐(てんゆう)ありと感じています。」また、「これまであまり(重度障害)当事者の作家がいなかったことを問題視して書いた。どうして2023年にもなってそうした作品が芥川賞で初めてなのか、みんなに考えてもらいたい」と話しました。
垣根涼介さんは
「10年前から歴史小説を書き始めたが、この10年直木賞も含め候補に挙がっても全て受賞に至らなかった。こうやって壇上にいることができて正直ほっとしています」と喜びの表情で語りました。
「おもしろおかしく読んでもらって、読み終えた後に何かが残ってくれるような小説を書こうと努力しました。いろんな人の後押しがあって受賞の運びになったことはわかった上で、今日はたまたま僕の日でもあったのかなという感じです」とも話していました。
永井紗耶子さんは
「作品が生きづらさなどを感じている人にとってほんの少しでも支えになり、楽しんでもらえるものになっていたら、こんなにうれしいことはありません。賞の名に恥じぬよう、精進していきたいです」と語っていました。
受賞作のあらすじをまとめました。芥川賞受賞作「ハンチバック」は背骨がエス字にたわむ重度の病を患っている主人公は、人工呼吸器と電動車椅子が欠かせない生活をおくっている。普段はグループホームで大学の通信課程の授業を受け、女性向けの官能ライトノベルを書いて生活していた。彼女が「子供を宿して中絶するのが私の夢です」といういかにも炎上しそうなことを呟いたことから身に起きることを描いた小説です。
続いて、直木賞受賞作「垣根涼介」極楽征夷大将軍は「やる気なし、使命感なし、執着なし」なぜこんな人間が天下を獲ってしまったのか…幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍、足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇です。
もう一つの直木賞受賞作、永井紗耶子「木挽町のあだうち」は雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助が父親を殺めた下男を斬り、見事あだ討ちを成し遂げます。その血まみれの首を高くかかげた快挙は多くの人々から賞賛されました。二年の後、菊之助の縁者という侍が仇討ちの顛末を知りたいと、芝居小屋を訪れるというストーリーです。