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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 アルツハイマー病の治療の新たな一手となるか。iPS細胞と既存の薬を組み合わせた治験が始まっています。
京都大学iPS細胞研究所などは「家族性アルツハイマー病」の患者に対し、既存の薬を使った治療の治験を始めたことを発表しました。
アルツハイマー病は物忘れや妄想が起こる認知症の一種で、治療法は確立されていません。
研究所などは患者のiPS細胞からアルツハイマー病になる神経細胞を作製。これにパーキンソン病の治療薬「ブロモクリプチン」を投与したところ、特に、遺伝子の変異で発症する「家族性アルツハイマー病」患者に対して、病気の原因となるタンパク質を減らすのに強い効果があることを突き止めました。
さらに患者8人に「ブロモクリプチン」を服薬する治験を行ったところ、病状の進行を抑える傾向が見られたということです。製薬企業が安全性などを評価するため、今後より多くの患者に投薬による治験を行う予定です。
(京都大学iPS細胞研究所・井上治久教授)「病気の方のiPS細胞から作った大脳の神経細胞を用いて、既存薬のなかに有効なものがあれば非常に早く病気の方に早くお届けできるのではないかと」
研究チームは治験を経て、2029年から30年にかけて「ブロモクリプチン」の薬事承認を得たいとしています。