睡眠の仕事「記憶を整理して定着させる!」【眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話】

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 脳には日々膨大な量の情報が入ってきます。すべてを記憶することは不可能なので、覚えておくことと忘れることを区別して、必要と判断した情報のみを「記憶」として残します。
 記憶にはいろいろな過程があり、どの睡眠の段階も記憶の定着や消去にかかわっています。
 新しい記憶は脳の海馬という部分に一度入って整理され、大脳皮質という部分で古い記憶となり、固定されます。海馬から大脳皮質への情報の伝達は、眠りはじめの深いノンレム睡眠のときに行なわれます。自転車の乗り方やスポーツ技術の習得など体で覚える記憶(手続き記憶)は、浅いノンレム睡眠で定着します。
 一方、レム睡眠のときには、経験したことをかつての記憶と関連づけたり、いつでもスムーズに記憶が引き出せるようにひもづけたりと、記憶を整理していると考えられています。
 また、ネガティブな感情にとらわれないためにも、忘れることは重要です。記憶の消去が行なわれるのも最初の深いノンレム睡眠のときとされていますが、最近の研究でレム睡眠もかかわっていることがわかりました。
 このように、記憶の整理と定着には、睡眠すべての段階が必要なのです。試験勉強やスポーツの練習のあとは、とくにしっかり眠って、脳のもつ記憶の働きを助けましょう。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修/西野精治