時差ボケは、人が飛行機で移動するようになって起こるようになった現象です。
睡眠は体温変化と密接な関係にあります。体温は概日リズムによって変動し、温度が下がると眠くなり、上がると覚醒します。
タイムゾーンを越えて移動すると、体が体温などを、もとの場所での安定したリズムで保とうとするため、移動先の現地時間とのずれが生じます。すると、夜になっても体温が高くて眠れず、ぼんやりするなどの不調が起こります。これが時差ボケの正体です。
体内時計は、いずれ現地時間に同調します。しかし、1日に約1時間ずつしか修正されないため、たとえば時差が7時間もある場所へ移動すると、現地に同調するまでに7日かかってしまいます。短期の旅行や出張では、滞在中ずっと時差ボケがつづいてしまうこともあり得ます。
少しでも早く時差ボケを解消するために有効とされているのは、朝に光を浴びることと、朝食をしっかり食べることです。1日のはじまりを体に覚えさせることで概日リズムがリセットされて、現地時間に合わせやすくなるのです。
それでも、時差ボケはすぐに修正できません。短期滞在の場合、時差は気にせず大事な予定に合わせて休息し、短時間の仮眠などで、体調を整えるほうが充実してすごせるかもしれません。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修/西野精治