発達障害の原因は脳機能の違いによるもの【心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話】

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 発達障害は、先天的な脳機能の障害などが原因であることは、すでに説明した通りです。それでは、脳にどんな障害が起きてしまい、それがどんな問題を引き起こすのかを見ていきましょう。
 先天的な脳機能の障害がない場合、人間の脳は成長に合わせてさまざまな機能がバランスよく発達します。これを「定型発達」と言い、発達障害ではない多数派の人、つまり「普通の人たち」のことです。
 一方、生まれつき脳機能の一部に障害がある場合、定型発達の人とは異なり、成長に合わせてきちんと発達する機能と発達しない機能が出てきてしまいます。つまり、発達の程度が機能によって差がある状態になっており、これが「非定型発達」です。
 非定型発達の人は、あることは定型発達の人と同じようにできますが、別のことはまったくできないというアンバランスな状態になりやすくなります。また、各機能の連携がうまくできないといった問題も起こります。そのため、定型発達の人が大多数の社会では、できないことが原因で、社会生活を送るうえで困難に直面することになってしまうのです。
 ただし、非定型発達であっても、発達の度合いが著しく遅れていなければ、普通の生活ができることもあります。同様に定型発達でも、発達の度合いには個人差があるため、非定型発達のような特性を見せる人もいます。そのため、発達障害と診断されなくても、発達障害的な特性を持っている人は少なくないということは覚えておいてください。
【出典】『心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話』
監修 : 湯汲英史