発達障害に家庭環境やしつけ、本人の努力はまったく関係ない【心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話】

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 発達障害は、かつては「家庭環境のせい」「親のしつけのせい」「本人の努力が足りない」といった後天的なもので起きていると考えられていましたが、現在は研究が進み医学的に否定されています。繰り返しになりますが、遺伝子異常などの遺伝的要因と胎児期の環境的要因によって引き起こされる先天的なもので、生まれつきの脳の特性なのです。
 後天的な要素はまったく関係ありませんから、仮に子どもが発達障害と診断されても、家庭環境やしつけに問題があるわけでも、本人が努力していないわけでもありません。そのため、「育て方が悪かった」と悩んだり、「もっと頑張りなさい」と子どもに対して怒ったりするのは間違いです。
 ただし、家庭環境や本人の生活の乱れが原因で発達障害のような症状が出てしまうケースも存在します。そういった部分を改善すると症状がおさまることも少なくありませんので、本当に発達障害かどうかは専門家に診てもらう必要があるでしょう。
 また、発達障害の兄弟姉妹がいる「きょうだい児」の場合、発達障害の子に親がかかりきりになってしまうため、定型発達の子に、集中力の欠如や反抗的態度、多動、ケンカ、多弁といった症状が現れるケースもあります。
 これは、「どうにかして親の気を引きたい」という気持ちから起きる行動で、イライラや不満を抱えている証拠です。そのため、きょうだい児に対するケアも必要になっていきます。
【出典】『心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話』
監修 : 湯汲英史