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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 発達障害は、子どもが成長していく過程で発覚することが多く、かつては子どもだけの病気と考えられてきました。大人が発達障害と診断されるようになったのは、実は15年前くらいからで、「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠如・多動症(ADHD)」の診断基準が変わったことが影響しています。現在では、当書10ページで紹介したように、20歳までに発達障害と診断される人と20歳以降に発達障害と診断される人の割合は、ほぼ同じです。
発達障害は生まれつきの特性ですので、「大人になってから発達障害になる」ということは起こりません。つまり、発達障害の特性は子どものころから現れていたはずなのですが、それがずっと見逃されてきて、大人になってから発達障害と診断される人がかなりの人数いるわけです。
おそらく、子どものころは「ちょっと変わった子」「落ち着きのない子」といった評価で見逃されてきたのだと思われます。それが、進学や就職などで環境が変化し、自身の責任が増え、他人との関わりも必要になっていくなかで、「なぜか自分だけうまくできない」「自分は人とはちょっと違う」と自分で気がついたり、周囲の人から指摘されたりすることで、発達障害であることが発覚すると思われます。
特に、女性の発達障害は特性の現れ方の関係で、男性の発達障害よりも目立ちにくく、気づかれにくいという特徴があります。そのため、大人になってから発覚するケースが少なくありません。
【出典】『心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話』
監修 : 湯汲英史