発達障害の人が見ている世界を知ろう!【心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話】

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 発達障害の人は、定型発達の人とは違う特性を持っていることは、すでにお伝えしてきたとおりです。そのため、同じ時間と空間を共有していても、定型発達の人と発達障害の人とでは、見ていること、聞いていること、感じていることがまったく違うことがよくあります。
 たとえば、「自閉スペクトラム症(ASD)」の人の一部が持つ視覚過敏の場合、「コントラストが強い」「まぶしくて見にくい」「色がぼやけて見える」といったことが起きています。同様に聴覚過敏の場合、「些細な音が爆音に聞こえる」「周囲の雑音のせいで会話が聞きとれない」、嗅覚過敏の場合は、わずかな匂いでも「耐えられないほど臭い」といったこともあるのです。
 つまり、定型発達の人と発達障害の人では“見ている世界”“すごしている世界”が大きく違うのです。まずは、この部分を理解しておきましょう。
 そして、忘れてはならないのは、定型発達の人が発達障害の人の世界を理解できないのと同じように、発達障害の人は定型発達の人の世界を理解できないということです。定型発達の人からすると「空気が読めない」といわれる発達障害の人ですが、発達障害の人からすると「相手の気持ちを勝手に判断している」のが定型発達の人なのです。
 世の中の多数派である定型発達の人の世界を“普通”とするのであれば、発達障害の人は見ている世界が違うので、その“普通”を理解できないのです。
【出典】『心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話』
監修 : 湯汲英史