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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 人のコミュニケーションは言葉が中心になっていると考えられがちですが、じつは、コミュニケーションで重要なのは、表情や目線、態度、言葉の選び方、声のトーン、話すスピードといった「言語外のメッセージ」です。こうした本来の言葉の持つ意味を超えて、別の意味を伝えるようになっているものを「メタ・メッセージ」と呼びます。「目が笑っていない」「目は口ほどにものを言う」といった表現は、まさにこのことを表しています。
たとえば、待ち合わせに遅刻してしまったとき、相手に明るい笑顔と高いトーンで「大丈夫! 気にしてないよ」と言われた場合と、表情を変えずに低いトーンでゆっくり「大丈夫……気にしてないよ」と言われた場合とでは、正反対の意味になることがわかるでしょう。前者は「本当に気にしていないから大丈夫」、後者は「本当は不愉快で腹が立つけれど、関係維持のために我慢しておこう」という意図が読みとれるはずです。
定型発達の人はこれを読みとれますが、「自閉スペクトラム症(ASD)」の人は、これを読みとることが苦手です。そのため、言われた言葉をそのままの意味に受けとってしまうのです。
相手に思うところがあって、表情や声のトーンを使って「これは本音ではない」ということを伝えようとしても、発達障害の人には察してもらえないので、言いたいことはそのままストレートに伝えることがポイントになります。
【出典】『心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話』
監修 : 湯汲英史