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※ 視聴回数は1日1回更新されます。女優の蒼井優、俳優の高橋一生、黒沢清監督が7日、都内で行われた映画『スパイの妻』(16日公開)の生配信イベントに出席。『第77回ベネチア国際映画祭』で「銀獅子賞(監督賞)」を受賞して以来、初めて3人がそろい、受賞トロフィーがお披露目された。
1940年、満州で恐ろしい国家機密を知ってしまった優作(高橋)は、正義のために、この秘密を世に知らしめようとする。妻の聡子(蒼井)は、反逆者と疑われる夫を信じ“スパイの妻”とののしられようとも、ただ愛する夫と生きることを心に誓う。しかし、太平洋戦争開戦間近の日本で、夫婦の運命は時代の荒波に飲まれていく…。
2018年のジャック・オーディアール(『ゴールデン・リバー』)、19年のロイ・アンダーソン(『ホモ・サピエンスの涙』)に続いて、ベネチア国際映画祭の最優秀監督賞にあたる銀獅子賞の受賞は、日本映画としては2003年の北野武監督『座頭市』以来、17年ぶりの快挙。溝口健二監督が『雨月物語(53)と『山椒大夫』(54)で2度、黒澤明監督が『七人の侍』(54)、熊井啓監督が『千利休 本覺坊遺文』で受賞、と日本では5人目の受賞者となった。
快挙を達成した黒沢監督へ、キャストを代表して蒼井&高橋が「おめでとうございます」と祝福した。黒沢監督は「ありがとうございます」と笑顔で返すと「一人で獲ったわけでなく、全員の力です」と強調した。
また、心境を問われた黒沢監督は「大変、ラッキーだったと思います。『ベネチア国際映画祭』のコンペティション部門に選ばれただけで十分幸せでしたし、みんなの力が結集してここまで来れたことに満足していました」としみじみ語りつつ「ニュースを聞いたときは『やったー!』と思いつつ、ほとんど実感がありませんでした。でも数日前に(トロフィーが)届いて、『何やら映画の歴史に名前を刻めたのかな』と、大げさですがそういう感慨が湧いてきますね」と喜びをにじませた。
その後は、撮影秘話に花を咲かせ、高橋は「蒼井さんと二度目の夫婦役と聞いて、マネージャーさんに『やった!』と伝えました。それくらいお芝居に全幅の信頼を寄せている。また夫婦役で共演できることは、楽しみでしかなかった」と笑顔で回顧。
蒼井も「尊敬している先輩で、一緒に歩んでくださることに感謝しています。こんな大きな作品をやらせてもらったけど、できればまた共演したいです」と意欲十分に語っていた。