大阪府警に2度も“誤認逮捕”された男性「ずさんな捜査による誤認逮捕が二度と起きないようにして」国や大阪府を損賠提訴 府警は内部検証で「関係者の説明を鵜呑みにし、犯人であるのを前提にして捜査が進められた」

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MBSニュース

SNS上の「なりすまし」をめぐり、大阪府警に2度も誤認逮捕された男性が、国や大阪府などに損害賠償を求めて提訴しました。
「私は絶対にやってません!!」
大阪府警に誤認逮捕された男性が、勾留中に書いたノート。力強く無実を訴えています。
20代の会社員の男性は2023年、知人の女性を脅したなどとして、2度にわたり逮捕されました。
男性は一貫して容疑を否認しましたが、釈放されるまで42日間拘束されました。取り調べでは警察官から、「お前が犯人だ。真っ黒だ」とも言われたといいます。
しかし2カ月後、大阪府警は誤認逮捕だったとして、男性に謝罪。男性になりすましていた別の男が逮捕・起訴され、有罪判決が確定しました。
誤認逮捕について検証した大阪府警の内部文書には、「関係者の説明を鵜呑みにし、犯人であることを前提にして捜査が進められた。必要な捜査事項を後回しにした」などの総括が記されています。
男性は24日、国や大阪府などに対し、計約2000万円の賠償を求めて提訴しました。
男性は代理人弁護士を通じ、次のようにコメントしています。
「誤認逮捕に至った経緯を明らかにし、自分のようなずさんな捜査による誤認逮捕が二度と起きないようにしてほしい。取り調べについても録音録画がされているわけではなく、勾留中に記載したメモしか頼りにできない状況で、どのように違法か証明すればいいのか。メモについても警察はほとんど否定したうえで『記憶が変わっているのではないか』と説明しました」
「今回の裁判を通じ、誤認逮捕に至った警察の取り調べなどの問題点を明らかにしてほしい。二度と同様の事件が起きないように取り調べの可視化を進めていただきたい」とコメントしています。
原告の代理人弁護士は、24日の記者会見で、次のように述べました。
秋田真志弁護士
「決めつけたことを前提に、まともな証拠収集もしていないにもかかわらず、逮捕したのは大きな問題。旧態依然の捜査の在り方をいちから反省し直す必要がある」
森島正彦弁護士
「検察からの謝罪については、かなり弁明に終始された。誤認逮捕というのは、一定数そのようなものが起こるシステムとしてのエラーだと。誤認逮捕を完全に防ぐことはできないが、それを被害男性の前で言うのはどうなのか」
大阪府警は「近く訴訟が予定されているとの報道に接しているので、お答えは差し控える」、大阪地検は「訴えが提起されたとの連絡に接していないのでコメントはありません」としています。