雇用環境の改善続くも…なぜ不安?部長解説【スクエア動画】

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 世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「雇用環境の改善続く」。日本テレビ・佐藤圭一経済部長が解説する。
 厚生労働省によると、8月の有効求人倍率は1.52倍で43年5か月ぶりの高水準となった。製造業などでの求人が活発になっている。ネット上ではこのような声が聞かれた。
「就職氷河期に比べたら夢のような数字!」
「素直に喜べないな」
「雇用はいいけど、給料がなかなか上がらない」
――様々な意見が出ていますが。
 色んな意見出てきますよね。確かに雇用の数字はいいんですね。つまり企業はいま業績が非常にいいということはいえるんです。しかし、喜べない人がいるのはなぜなのかというところで、調査したデータ(三菱総研調べ)があります。
 これは若い人が5年以内に結婚すると予想した数字なんですね。2011年からずっとダウン傾向だったのが、2016年から17年にかけてグッと上がってますよね。結婚したいということは、“財布”のほうも入ってきた、将来もちょっと見通せるようになった、という兆しが生まれてきたのではないかと言うこともできます。
 また、若い人たちがモノを買わなくなったと言いますが、「欲しいモノがすぐに思い浮かぶ」という調査結果がありまして、若い人ほど高いのがわかります。こういうトレンドというのは、やはり景気が良くなっているということを裏付けているデータではないかと言うことができます。
 ただ一方で、あまりよくないという人もいますよね。その理由を考えてみますと、「今後、日本社会で不安に思うこと」という調査で、「高齢化によって医療・福祉・年金等の面で財政が悪化する」「少子・高齢化によって経済成長が止まる」という心配や不安を持つ人が、2011年の調査からずっと50%~60%の割合でいます。
 つまり、景気がどうこうという問題もあるけれど、将来に不安を持っているので、なかなか自分のお金を使ってモノを買うよりは、貯蓄にまわしてしまうという方が多いようなんです。個人消費が伸びないので、経済成長もなかなか進まないという状況です。
――やはりデフレの期間も長かったですし、景気が上向いているとはいえ、ネガティブな気持ちがぬぐえないという状況もあるんですかね。
 そうですね。教育や年金などに不安をみなさん持っていると思うんです。そこで私は「不安にこたえてくれる人を」というオピニオンを挙げました。10月22日に衆議院選挙の投開票がありますが、そこでですね、自分が抱えている不安に応える政策、政党をぜひ選んで欲しいと思っています。
――なかなか政策論争にたどりついていないということもありますけど。
 これから公示があって、それから各党が主張してくると思いますので、そこで聞き比べて、ぜひ1票を投じてほしいと思います。