マツタケの生産量日本一の長野県で、「有数の産地」と言われる青木村を訪ねた。そこで代々、守られている“掟(おきて)”とは。
■家ごとに守り継ぐ“アカマツ林”
キノコをモチーフにしたマスコットキャラクターが迎える青木村の“道の駅”では、マツタケが販売されている。商品を並べたとたんに争奪戦が始まる。ここでは、他よりもマツタケを安く買うことができるそうだ。
人口約4000人の青木村は、村の面積の8割が山林だ。山の管理はそれぞれの家が行い、マツタケが育つアカマツ林を家ごとに守り継いでいる。アカマツ林を守る“ますや旅館”の宮原代表取締役社長はこう話す。
「おじいちゃんから教わってきました。自分なりの採れる場所というのを覚えて、息子たちに教えていきたいと思っている所です」
■所有者以外入山禁止
アカマツ林は“所有者以外入山禁止”というのが青木村の習わしだ。“見ただけでも育たなくなる”といわれるほどデリケートなマツタケ。そのため、山の教えを受け継いだ者しかマツタケ山には入ることができない。
ますや旅館では、その日採れたマツタケ料理を振る舞っている。青木村のマツタケをふんだんに使った料理には、土瓶蒸しに鍋、天ぷら、そしてマツタケご飯などがある。
秋に採れるマツタケは、青木村の“貴重な財産”だ。“観光の呼び水”としても期待が込められている。