751人の犯人を逮捕に導いた世界一の似顔絵捜査官

Footage courtesy of Guinness World Records TM / RightSmith

世界の一等賞 season2

誰もが驚くミラクルな偉業から、謎の情熱により達成された珍記録まで、世界の「一等賞」な人々やモノゴトをご紹介。
米テキサス州のヒューストン警察署で働くロイス・ギブソンさん。彼女の職業は似顔絵捜査官。目撃者の証言をもとに犯人の特徴をとらえて似顔絵を描き、捜査に役立てるという仕事です。
彼女は1982年6月から2016年5月の間に、751人の犯人の似顔絵を描いて身元を特定。「描いた絵で最も多くの犯罪者の身元を特定した画家」としてギネス世界記録に認定されました。
実はロイスさん自身も、20代で連続強盗殺人犯に襲われた被害者でした。その後テキサス大学で美術を学び学位を取得、路上で3000人の似顔絵を描くなど修行を積み、似顔絵捜査官の道を歩み始めます。
似顔絵を描くときは、目撃者から犯人の特徴を聞き出したり、顔のパーツを一覧にしたカタログを使用。目撃者の記憶があいまいなときは、特徴を聞き出す2つのコツがあるそう。それは「どんな髪形だったか?」「どんな表情だったか?」という質問。顔は覚えていなくても、髪形や表情で記憶を引き出せることもあるのだとか。
ポール・デーソン巡査が犯人に頭と背中を撃たれ、車で引きずられて重傷を負った事件でのこと。巡査は犯人の顔を覚えておらず、その印象について「サメのようだった」とだけ答えました。しかしロイスさんはこの一言から特徴を引き出して似顔絵を完成させ、3日後に犯人は捕まりました。
「1時間もかからないスケッチで犯人を捕まえられると思うと夢中になります。私は完全に仕事中毒で、やめたいとは決して思いません」
そんなロイスさんの卓越したスキルを知るために、ギネス世界記録編集長の特徴を「証言」のみで描いてもらったところ……。描いた本人も驚くほどそっくり! 
似顔絵捜査官の学校を創設、後進の育成にも意欲的なロイスさん。正義のためにアートに身をささげるその姿は、感動的です。
※ギネス世界記録(TM)は、ギネスワールドレコーズリミテッドの登録商標です