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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 生まれつき病気をもっている赤ちゃんは、全体の3~5%とされています。確率は低いのですが、生まれてからわかるよりも、妊娠中にわかっていたほうが、出産時や生まれてからの赤ちゃんの健康のために安心ということで、新型出生前診断、NIPT(non ─ invasive prenatalgenetic testing)を希望するお母さんもみられるようです。
NIPTは、お母さんの血液から赤ちゃんのDNAを検査して、染色体の異常がないかどうかを調べるために開発された技術で、99%以上の精度の高さが注目されています。ただし、あくまで〝検査〟であって〝診断〟ではなく、万一、異常が見つかった場合は、あらためて精密検査で確定することになります。また、検査で陰性であっても、生まれてきたら症状がある場合もあります。(偽陰性)
NIPTで赤ちゃんの異常のすべてがわかるわけではありません。視覚・聴覚・発達障害などの機能的な異常や、小耳症・埋没耳など形態的な異常はわかりません。病気が見つかっても、治療ができない場合もあります。その場合、産むことをあきらめるケースも出てくる可能性があり、NIPTを受けるかどうかは、慎重に考えたいものです。日本ではまだ保険の対象ではなく、経済的な負担も少なくありません。
出典『眠れなくなるほど面白い 図解 生命科学の話』
著:高橋祥子