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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 「約束をすっぽかす」「期日を守れない」という傾向は、「自閉スペクトラム症(ASD)」の人によく見られる傾向です。これは、「すべての物事を同じ重さに感じてしまう」という脳の特性の影響で、物事に優先順位をつけられないことが原因と考えられます。そのため、やるべきことがいくつか重なった場合、どれが優先すべきものかがわからなくなってしまいます。その結果、約束よりも他のことを優先したり、優先順位の高い大事な仕事を後回しにしたりして、約束や期日を守れないのです。
また、「アンケートの集計」といった何かをまとめる仕事では、情報の取捨選択ができず、要点をまとめるという作業が苦手なため、すべてを完璧に網羅しようと丁寧に取り組みすぎて期日に間に合わないというケースもあります。また、内容ではなく書類の体裁、文字の大きさなどが気になってしまい、そちらを調整することに時間をかけてしまうことも少なくありません。
そこで、自閉スペクトラム症の人に対しては、「いつまでに、何を、どうしなければいけないか」を、常に確認できる環境を整えてあげましょう。優先順位をわかりやすく伝え、スケジュールアプリのリマインド機能に登録してもらい、特に大事なことはメモを渡すようにしましょう。こうすることで、優先順位がわからなくなったら、確認してもらうことができるようになります。期日が近づいたら、一声かけてリマインドするというのも有効な方法です。
【出典】『心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話』
監修 : 湯汲英史