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※ 視聴回数は1日1回更新されます。 知能への遺伝の影響は大きく、IQは成長とともに上昇していき、逆に共有環境(親や家庭の影響)の影響は減少しています。これは自立して親や家庭の影響が薄まることで、本来持っている遺伝的素質があぶり出されてくることを意味しています。
学業成績の場合も、おおむね50%は遺伝の影響があり、共有環境が30%、非共有環境が20%程度です。欧米と比べて、日本は算数や数学への共有環境がやや大きいという傾向がありますが、これはそろばんや公文といった、わが国特有の習い事の存在が関係しているのかもしれません。
共有環境の影響があるということは、親次第で学業成績が変わることを意味します。子どもからすれば、自身の遺伝的資質も家庭の環境も自分ではどうしようもないものですが、それで学業成績の個人差の8割が説明されてしまうのです。それでもなお子どもに過剰な努力を強いるなら、それは教育虐待になりかねないのです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』
監修/安藤寿康