【パリ五輪】パラリンピックも注目 ゴールボール・高橋利恵子選手が東京に続くメダルへ意欲を語る

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ゴールボールは、視覚障がいのある選手がアイシェードで目隠しをして行う。攻撃は鈴の入ったボールを相手ゴールに投球、守備は全身でボールをセービングする3対3の対戦競技。現在、世界ランキング2位の日本女子代表チームをキャプテンとして牽引する、高橋利恵子選手。彼女は先天性の網膜の病気のため、生まれたときから目に障がいがある。
「中学は地元の特別支援学校に通い、高校から親元を離れて上京することを決めました。地元の盲学校に進学すると、鍼灸科に進むことが一般的でどうしても進路が限られてしまいますが、将来の選択肢を狭めたくなかったんです。当時から大学進学にも興味があり、いつか特別支援学校の教師になるのが夢でした」
この決断がゴールボールとの出合いを生む。高橋選手自身にとっても、これがひとつのターニングポイントだった。
「ゴールボールに出合ったのは、高校2年生のとき。体育教諭から人数合わせのため、試合に出場してほしいと誘われたのがきっかけでした。先生は『何もしなくていい。ただ寝ていればいいよ』って(笑)。今振り返ると、あのときは手ごたえもあまりなくて、日本代表に選ばれるなんて想像もしていなかったです」
受験勉強で競技から離れた時期もあったが、筑波大学へ進学後に再び競技を始めることに。気づけばゴールボールにのめり込み、すぐに頭角を現していった。そして、日本代表に初選抜されてから5年ほどでキャプテンに就任し、名実ともにチームを支える存在に。
「正直、選ばれたときは本当に驚きました。みんなを引っ張っていく役目は得意ではないのですが、先輩、後輩関係なく、意見を言いやすい雰囲気作りを徹底しています。苦しいときやつらいときには愚痴を言ってもいいと思う。みんなが同じ方向を向き、明るくなれるような声かけを心がけています。日本代表チームの持ち味は組織力が高いところ。他国は9mのコートを3mずつ守っているような感じですが、私たちは3人+ベンチのスタッフからの声かけでしっかりと壁を作り、9mをみんなで守っています」
3年前の東京2020パラリンピックでの銅メダルという成果を経て、パリ大会では悲願の金メダルの獲得を目指す。
「残りの4カ月でしっかりと仕上げていけば、必ず優勝を狙える位置にいけると思います。今はパラリンピックに向けて各国が競技力を高めている時期。最後は運をものにし、実力を出し切ったチームが勝つと思います。結果を通して、ゴールボールをもっと広く知ってもらいたい。視覚障がいがあってもいろいろな選択肢があることを伝えていきたいですね」