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※ 視聴回数は1日1回更新されます。こちらは左足を失ったアオウミガメ。ウミガメは息継ぎのタイミングで船による被害を受けることがあります。ウミガメ類は世界中の暖海に生息する爬虫類で、現生では7種が生息してい ます。日本には、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイ、ヒメウミガメ、オ サガメが生息し、そのうち前の3種は日本の砂浜で産卵します。特に、アカウ ミガメにとっては、我が国は北太平洋で唯一の産卵地であり、その存続に大き な責任を負う立場にあります。ウミガメ類は、IUCNのレッドリストや環境省の レッドデータブックにも掲載され、絶滅が危惧されています。その一方で、べ っ甲細工の材料としてのタイマイの甲の輸入や漁業による偶発的捕獲など、国際的な問題として日本の取り組みが求められる動物でもあります。ウミガメ類の保全を考える上で特徴的なのは、産卵が砂浜で行われること、 成長とともに生息地が変わること、摂餌域と繁殖域が異なること、寿命が比較 的長く、種によっては繁殖を始めるまでに30年程度もかかること、生息地や 餌生物が、種ごとに異なることなどが上げられます。このような特徴から、様 々な人間活動がウミガメ類の生活に強く影響を及ぼしてると予想され、近年の 産卵回数の減少はそれを反映していると考えられています。例えば、徳島県阿 南市蒲生田海岸では1950年代には年間700回の上陸が記録されたにも関わらず、 近年では50回を上回ることはありません。産卵回数の減少は個体群の減少を意 味すると思われますが、このように数の変化を定量的に評価できる海洋動物は 少なく、産卵回数は海の生物群集あるいは生態系の健全度の指標となるとも考 えられます。その観点から、ウミガメとその生息環境を保全し、産卵回数の回 復をはかることは、海洋の生態系の再生の指標ともなり、さらには海岸線の自 然の保全の指標にもなると考えられ、今後の国・地方行政の大きな課題である と考えられます。みなさん一人一人の心がけが海を守ります。
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