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※ 視聴回数は1日1回更新されます。【不良になる人とならない人】
友人の影響で非行に走る人の事例は、サザランドによって提案された「分化的接触理論」である程度は説明できます。
私たちの行動のベースとなる価値観は、身近な他者からの学習によって作られます。そのため、学ぶ相手が法律を軽視し、反社会行動をとることがあると同じような行動をとるようになるのです。そして、同じような価値観の人といると安心感が生まれるため、不良グループに入ることになります。
ただし、この理論では不良とつき合っていても、非行少年にならない人がいるのはなぜかという疑問が生まれます。
その理由のひとつとされているのが「分化的同一化理論」です。グレイザーによると、直接接触することはなくても、テレビや映画で見た有名人などを理想とすれば行動の学習が可能だというのです。たとえば、ギャング映画を見て主人公に憧れれば、悪い人間になっていきます。しかし、活躍をしているスポーツ選手などに憧れれば、その人を目標として同一化しようとするのです。さらに、自分自身が善悪の区別に厳格であるというようなポジティブな自己概念を持っていれば、まわりに不良の友人たちがいても、不良グループには入りません。これを「非行絶縁体理論」と言います。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』
監修:越智啓太