「夢で見た世界」を描き続ける難病の画家

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日テレNEWS24

難病を患いながらも活躍する女性画家がいます。絵のテーマは“夢で見た世界”。どんな絵なのでしょうか?
夢の世界を描いたという絵画には、色とりどりの妖怪が描かれています。夢には妖怪たちが次々に出てきたということですが、なぜこの不思議な夢を見ることができるのか――それは、作者の日常が関係しています。
作者のカミジョウミカさんは、先天性骨系統疾患という難病を患っています。生まれつき全身の関節がゆるく、脱臼しやすいというカミジョウさん。手にはサポーター、首も動かないようにするポリネックを装着し、体はベルトで車いすに固定、足もサポーターで関節が外れないようにしています。
カミジョウさんはアトリエとなっている部屋と、病院を往復するだけの毎日だといいます。ですが、そのせいで別の世界への想像力が膨らんでいったといいます。
行ったことのない世界が次々に夢に現れるというカミジョウさん。現在、描いているのは“腎臓の世界”だといいます。
「内臓がよく夢に出てきて、いろいろな細胞の形をした人なんですけど、それがウジャウジャ騒いでいるイメージで描いてみました」
カミジョウさんが絵を描き始めたのは19歳の時。モデルは、入院中の病院の看護師さんたちでした。カミジョウさんの絵は抽象画ですが、夢で見る景色もこのような世界だといいます。
夢の世界を描き始めたカミジョウさんは、2003年のコンクールでの入賞をきっかけに、本格的な創作活動を行うようになったそうです。
「もう本当に自由に歩き回っているし、夢の中だと。家での生活のフラストレーションが夢であふれ出してくるのかもしれないですね」
カミジョウさんの作品は、世界43か国からの障害者によるアート作品を競う“パラリンアート世界大会”の最終審査に残っていて、8月27日に結果が発表されるということです。