たとえば自動車運転免許などを新しく習得するのに、中高年は若いときよりも努力を要し時間もかかるため、あきらめてしまう人もいるようです。同じ理由で、今さら筋トレをしてもムダなのでは? と思う人もいるかもしれません。
でも、筋トレは何歳から始めても遅すぎることはありません。正しいフォームで適切な負荷をかければ、筋肉は確実に太く強く成長します。実際、80代の高齢者でも、効果があることがわかっています。筋肉は、体全体で最も新陳代謝が活発な組織です。適度な刺激を与えることで、細くなってしまった筋肉が目覚めて成長を始めるのです。
ただし、高齢者の場合は関節や骨などの老化が進み、機能が低下している可能性があります。特に関節や骨は筋肉と比べて機能の回復が難しいため、関節に障害や痛みがある場合は、筋トレを始める前に必ずかかりつけの医師に相談してください。また、年齢は若くても運動からしばらく遠ざかっていた人は、本書で紹介するトレーニングをすべて行うのではなく、1種目1セットから始めて、徐々に体と心を慣らしていきましょう。
筋トレは、早く始めるのに越したことはありません。筋肉の強化は、筋肉の維持より2倍の努力が必要で、放置するほど必要な筋肉量とのギャップが大きくなります。先送りをせず、早めに取り組むのが賢い選択です。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』
著/坂詰真二