歌詞が空中に浮かぶ「ARリリック」、圧巻のミュージックビデオ

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朝日新聞社

bouncy / バウンシー

ミュージシャンのHaru.Robinson(ハル・ロビンソン)の楽曲「HOWL」のミュージックビデオが公開された。このミュージックビデオがすごい。空中に浮かぶ歌詞が生まれた裏側を解説する。
こちらのミュージックビデオ、歌詞が画面に出てくるいわゆる「リリックビデオ」とはちょっと違う。
ミュージックビデオなどで見かける映像に歌詞をのせる手法は、CGで実写の映像に歌詞を合成するのが一般的。Haru.Robinsonの「HOWL」では、AR(拡張現実)の技法を使って、Haru.Robinsonが書いた歌詞をそのまま現実空間にマッピングしている。
しかもこのミュージックビデオのためだけに、スマートフォンアプリを開発したというから驚きだ。
独自開発のこのアプリを使って、表参道からキャットストリートまで約300メートルにわたる撮影をおこなった。
Haru.Robinsonが自身が演奏しながら、歌詞にうめつくされた空間を歩くこの不思議なミュージックビデオ。制作サイドは「世界初のARリリックビデオ」だとしている。
どうやってるの?
まず、GoogleのVRイラストレーションソフト「Tilt Brush」を使って、アーティスト本人が空間に歌詞を書いた。
独自開発のARアプリを使って、歌詞を撮影地に正確にマッピングしていく。ちなみここまでの撮影準備で1年かかったというから驚きだ。
配置が終わったらついに撮影。機材はiPhone Xと手ぶれ防止のジンバルだけ。
最初から最後まで一度も切れることのないワンカット映像を撮影。
毎日多くの人が集まる表参道で人が映り込まないよう、早朝の一瞬のすきを狙って試行錯誤された撮影は100回以上行われそうだ。
Haru.Robinsonの次回作にも期待!?
この根気のいる新しいミュージックビデオを作ったHaru.Robinsonは、これまでにも面白いミュージックビデオを制作している。
離れ離れになったふたりの思い出がテーマの楽曲「愛が降る町」では、スマートフォン用の縦型動画を2本制作。スマートフォン2台を重ねることで再現される仕掛けになっている。
技術革新とアイデアで表現の幅が広がった新しいミュージックビデオ。
次のHaru.Robinsonの新曲ではどんな仕掛けが待っているのか楽しみだ。