もうすぐ新学期が始まりますが、学校でタブレット端末が壊れることが問題になっています。
立ち上がったのは中学生。大人顔負けのプレゼンで問題解決のための予算を勝ち取りました。
画面に「くもの巣」のような筋。小中学校の授業で使っていたタブレット端末です。
ここまで壊れてしまったのには理由がありました。
北海道十勝地方の中札内村の中学校で、英語の授業を受ける3年生です。
ファイルに筆箱、それにタブレットで机の上はぎっしぎし。
「教科書とタブレットをどっちも出すってなった時にすごくスペースが狭くなってしまって使いづらい」(生徒)
学校では今「ICT=情報通信技術」を活用した授業として、すべての児童・生徒にタブレットが1台ずつ配られています。
中札内村では4年前、3つの小中学校であわせて364台が導入されましたが、予想していなかったのがこの「タブレットが壊れる問題」です。
これまでに41台が破損し、修繕費は約260万円にも上りました。
なぜ、こんなことになってしまうのでしょうか。
「(教科書などを)いろいろ広げる時に、いちいち落ちちゃうかなと思って戻したりすることがあります」(生徒)
机の上がタブレットや教科書などでいっぱいになり、誤って落としてしまうことが少なくないというのです。
中札内村では壊れたタブレットの修繕費として、4年間で約260万円かかりました。
となりの帯広市では、2024年度だけで修繕費がなんと5000万円!
帯広市では当初タブレットの予算を2000万円と見込んでいましたが、2024年9月に3000万円の追加予算を決めました。
帯広市の教育委員会は「予想を超える数のタブレットが破損した」と話しています。
中札内村の中学校では、タブレットを落とさないように生徒たちが緊張して授業を受けていました。
タブレットに意識するあまり、今度は教科書などが机からはみ出てしまい、先生はそれをよけながら歩かざるを得なくなっています。
「(落下を恐れるあまり)ちょっと集中が切れてしまうこともあります」
「(教科書などを)いろいろ広げる時に、いちいち落ちちゃうかなと思って戻したりすることがあります」(いずれも生徒)
タブレットで便利になるはずが、学習の妨げになっていました。
「私たちは『天板拡張くん』の導入を提案します。全国の自治体の35%が使っており、中札内中学校でも特別支援教室で使用しています。実際に使っている学校の教師からは引き続き使いたい、という声も上がっています」(生徒)
「机の天板が大きくなれば、教室の後方まで机が並ぶことになります。人の移動スペースがかなり狭くなるため、災害時の避難導線を確保できない状況となることが心配です」(中札内村の教育委員会)
「教卓と黒板の間、教室後方の机のスペースが大きく空いていたので、机同士の距離を調整することで改善されると思われます」(生徒)
2024年11月、村に政策を提案できる「模擬議会」。
生徒たちのプレゼンで『天板拡張くん』の購入費約36万円が2025年度の予算に盛り込まれました。
「エビデンスをちゃんと持って提案型という形でしたので、素晴らしいと思いました」(中札内村教育委員会 上田 禎子 教育長)
「このネジを緩めます。ネジは4か所あります。簡単に取れて付けるときも挟んでネジを締めれば終了です。1分かからずにできると思います」(中札内中学校 木村 吾勝 教諭)
「天板拡張くん」はもともと特別支援教室にあったものでした。
この器具で机の天板は10センチ広くなり、落下止めもあるためタブレットも落ちずらくなります。
2025年度、まずは55個が導入される予定です。
「勉強に対する意識が変わるので、自分たちもつけてほしいな、環境が改善されるならつけてほしいな、と思いました。うれしいというか、自分たちの意見が伝わったんだと思いました」(提案した広瀬航大君)
学校の問題に自ら解決策を提案した生徒たち。ICT教育に一石を投じました。