11月19日北海道では雪が絡む事故が相次ぎました。
雪の降り始めのこの時期、特に注意したいのがスリップ事故です。
路面が滑りやすいのはどんな時か。
事故を防ぐためのポイントをお伝えします。
ボンネットが大きくへこんだ乗用車…。11月19日朝は各地で事故が相次ぎました。
札幌市南区川沿2条5丁目の交差点では、直進していた乗用車が信号機の柱に突っ込みました。
運転していた40代から50代とみられる男性が手の指の痛みを訴え病院に搬送されました。
路面は凍結していて、夏タイヤでスリップしたとみられています。
雪が降り始めたこの時期、スリップ事故には注意が必要です。
これは直進していた車が突然スリップし、中央分離帯へ衝突した時の映像。
そしてこちらは2023年1月、交差点で青信号で発進した白い乗用車に、右からきた黒い乗用車が止まり切れずに進入し衝突した映像です。
いずれもスリップが原因と見られています。
雪が降った翌日の“ブラックアイスバーン”に注意
札幌市内に降った雪は19日の日中にだいぶ解けましたが、JAF(日本自動車連盟)は雪が降った日の翌日が特に注意が必要だと話します。
「雪は解けたが次の日の朝はブラックアイスバーンになりやすい路面状況。明け方や夜間は気温が低い状態なので、濡れているだけの路面のように見えても滑ってしまう」(JAF認定セーフティアドバイザー細川広夢さん)
雪が降った翌日、一度気温が上昇することで解けた雪が薄い氷の膜になってできるブラックアイスバーン。
どのくらい滑りやすいのか。
これは、ブレーキをかけ始めてから停止するまでの距離が路面状況によってどの程度変わるのかJAFが調べた実験映像です。
圧雪路面では、停止するまでの距離が20.2メートルでしたが、ブラックアイスバーンは...69.5メートル。
車が停止するまでにかかる距離は圧雪路面の3倍以上です。
特に夜間は、見分けがつきにくいので注意が必要です。
「毎年冬道は運転されていると思いますが、8か月くらい間があいているので、運転に対する技能が落ちる。雪の降り始めの時期は慎重に注意しながら、スピードダウンと早めのブレーキを心がけてほしい」(細川広夢さん)
北海道警のまとめでは、2023年度まで過去5年の北海道内のスリップによる死傷事故は、12月が最も多くなっています。中でも死亡事故は17件と、次に多い1月、2月の7件の倍以上です。
ケガをする事故が多いのは8割が「市街地」で、その中でも交差点が56%、カーブは5%にすぎません。
冬道になる変わり目のこれからの時期は、十分な注意が必要です。