アサド政権が注力した麻薬ビジネス 「貧者のコカイン」工場の内部は

朝日新聞社

朝日新聞デジタル

中東シリアの首都ダマスカス中心部から車で20分ほどの街ドゥーマの丘の上に、コンクリート造りの工場がある。アサド政権が資金源としていた、麻薬の密造拠点と指摘される場所だ。政権の崩壊で、これまで闇に包まれていた麻薬製造の実態が明るみに出た。
記者は14日、政権を打倒した反体制派の中核「シャーム解放機構」(HTS)戦闘員の許可を得て、麻薬製造工場の内部に入った。戦闘員からマスクを着用するよう指示されたが、独特の薬品のにおいが鼻を突く。
真っ暗な倉庫の床に、白い錠剤が無造作に散らばっていた。戦闘員によると、アンフェタミン系の合成麻薬「カプタゴン」だ。