詰め寄った妹へ「言わされた」 名張毒ぶどう酒事件 再審認めず、冤罪を信じて「最後の闘い」

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三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件の第10次再審請求審で最高裁第3小法廷(長嶺安政裁判長)は、奥西勝元死刑囚=2015年に89歳で病死=の妹の岡美代子さん(94)による特別抗告を棄却する決定をした。29日付。再審を認めない判断が確定する。奥西勝元死刑囚の妹岡美代子さん(94)には64年の一審無罪判決後、優しい兄に詰め寄った唯一のきょうだいげんかの記憶が残る。帰ってきた言葉は「警察に『やりました』と言わされたんや」。岡さん自身も高齢となり、冤罪を信じて「最後の闘い」と臨んでいた。弁護団を通じ、今後も名誉回復に向け「全力を注ぎます」との意向を示した。