7月12日、北海道南部の福島町の住宅街で男性がクマに襲われ死亡しました。
警戒が強まるなか14日も住宅やスーパーにも出没、事態は緊迫しています。
住宅街を走る1頭のクマ。
北海道南部の福島町で10日夜に撮影されました。
7月に入りクマの目撃が相次いでいた福島町。
12日、ついに人が襲われる事態が。
「男性はここでクマに襲われました。そして奥の方にある笹やぶまで引きずり込まれたということです」(阿部空知記者)
12日未明、福島町三岳の住宅街で新聞配達をしていた佐藤研樹さん(52)がクマに襲われ死亡しました。
佐藤さんは近くのやぶの中に引きずり込まれその後駆け付けた警察やハンターなどに発見されました。
佐藤さんを襲ったとみられるクマは体長1.5メートルほど。
佐藤さんは全身を引っかかれさらに腹部を中心にかまれていたということです。
自宅の窓から一部始終を目撃していた男性は…
「(被害にあった男性は)あそこで最初噛まれて引っ張られてそのままあっちの茂みに…あそこに足跡もあるんですけど」(帰省中の男性)
警察によりますと、佐藤さんは最初に襲われた場所から約100メートルの距離をクマに引きずられていたということです。
近くに住む男性は、声を出してクマを追い払おうとしましたが…
「クマが人間の上にかぶさるような形の状態が見えたので、すぐに声を出して追い払おうとしたんですが、全然逃げようともしない」(近所の男性)
クマに襲われた佐藤さんの母親は現場から救急車で運ばれる佐藤さんを確認したといいます。
母親はUHBの取材に応じ、「痛くて苦しかっただろうと思う。かわいそうでならない」と話しました。
佐藤さんが働いていた新聞販売店は…
「休まず毎日欠かさず来る真面目なところがあって大事な配達員でした」(なりた新聞販売所 成田雅人代表)
町内では警察やハンターが佐藤さんを襲ったクマを捜索しましたが、発見には至りませんでした。
「まだクマがいるだろうという想定だったが姿が見えない状況」(福島町 鳴海清春町長)
さらに13日夜には警察官が町内の交差点でクマを目撃。
住宅街への出没が止まりません。
道によりますと出没しているクマは少なくとも2頭いるということです。
2021年7月、同じ福島町でクマによる同様の被害がありました。
「国道沿いの階段を登りきった高台の山林で遺体の一部が発見されました。付近には強い獣の匂いがしておりヒグマに襲われた可能性が高いとみられています」(小町麻紀 カメラマン)
町では4年前、農作業中の女性がクマに襲われ死亡しました。
市によりますとこの時のクマは、まだ駆除されていません。
12日男性を襲ったクマとの関連は分かっていません。