手術ミスで下半身に重いまひ。執刀医と病院に約8900万円の賠償です。
兵庫県内に住む80代の女性は2020年1月、赤穂市民病院で手術を受けた際、執刀医だった松井宏樹被告(47)に誤って腰の神経の一部を切断されたことで下半身に重いまひが残り、自力では歩けなくなりました。
女性と長女が松井被告と市に損害賠償を求めた裁判の判決で神戸地裁姫路支部は、松井被告の手術のスキルは「経験のある医師に危険を感じさせるもので、注意義務違反の程度は著しい」としたほか、女性らに対する病院側の対応に時間がかかったことなどを踏まえ、「迅速に説明を尽くしたと評価するには不足がある」などとして、約8900万円を支払うよう、松井被告と市に命じました。
(女性側の代理人 若宮隆幸弁護士)「基本的なことができていなかったからこそ起こった事案だと裁判所も認めた。医療過誤でここまで判断されることはあまりないのかなと思っています」
この事故をめぐり松井被告は去年12月、業務上過失傷害の罪で在宅起訴されているほか、2019年7月からの約8か月間に担当した手術で、2人が死亡、7人に障がいが残る医療事故が起きています。