【渋イイビル探訪】かつて「東洋一」とうたわれたオフィスビル:パレスサイドビル(東京・竹橋)

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戦後の高度経済成長期、急激に進んだ東京の都市開発で、個性的なビルが次々に生まれた。
1960〜70年代ごろに建設されたこれらのビルが今、再評価されつつある。
2020年の東京五輪に向けて再開発が進む東京で、今こそ見ておきたい「昭和のかっこいいビル遺産」を探訪する。
■かつて「東洋一」とうたわれたオフィスビル
皇居に面して建つ、1966年落成のオフィスビル。毎日新聞社が所有している。
著書「シブいビル 高度成長期生まれ・東京のビルガイド」でこのビルを取り上げた鈴木伸子氏は、「50年前にできたと思えない、いまだに新しさを感じさせるビル」と評する。
東西に平行に並んだ直方体のビル2棟に「コア」と呼ばれる白い2つの円筒が配置されたデザイン。
外壁には特注レンガが使われており、ミックスされた素材感も特色だ。
「建築当初は『東洋一のオフィスビル』として観光バスも立ち寄る名所だったそうです」(鈴木氏)
1999年、DOCOMOMOによる「日本の近代建築20選」に選出され、現在も建築関係者が見学に訪れるという。
皇居前の「モダニズム建築の傑作」を、鑑賞ポイントを参考に歩いてみてはいかがだろうか。
■鑑賞ポイント
<1>2つのモダンな階段
(大理石階段)
東玄関で人々を出迎える15段、約6m幅の堂々たる階段。ドラマのロケなどにも使用される。
(夢の階段)
地階から1階に通じる金属製の階段。50年前に作られたと思えない斬新なデザイン。
<2>宇宙船内みたいなエレベーターホール
ビルを構成する東西2カ所の「コア」内部にあるエレベーターホール。
<3>約1900坪の絶景屋上庭園
日本で最も古い屋上庭園のひとつ。皇居など都心のランドマークを一望でき、まさに絶景。
※屋上庭園は平日11:30~14:00、テナント従業員に開放(雨天中止)
■探訪データ
東京都千代田区一ツ橋1-1-1
アクセス:東京メトロ東西線・竹橋駅(直結)
■監修:鈴木伸子
1964年東京生まれ。元「東京人」副編集長。都市、建築、鉄道、街歩き、食べ歩きなどをテーマに執筆・編集活動を行う。
著書に「シブいビル 高度成長期生まれ・東京のビルガイド」「グッとくる鉄道」(リトルモア)、「中央線をゆく、大人の町歩き」(河出文庫)など。