本物の「カモシカの脚」は美脚なのか【どうぶつトリビア】

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「カモシカのような脚」といえば、スラリとした美しく長い脚のこと。
ほめ言葉として使う場面も多い言葉ですが、じつは本物のカモシカの脚はまったくスラリとしておらず、どちらかといえば「がっしり系」。
これは、岩場や急斜面を好む動物だからだそう。ちょっと想像とは違いますよね。本当に美脚なのはニホンカモシカではなく、同じウシ科グループのアフリカにいる「レイヨウ類」のほう。レイヨウ類にはインパラやヌーなどがおり、胴体のわりに細く長い脚をしています。
日本で広まった「カモシカのような脚」という表現は、カモシカとこのレイヨウ類を混同したために生まれたのです。ではなぜそんな混同が起きたのか……。なんと「レイヨウ」と「カモシカ」は、漢字で書くと両方とも「羚羊」なのです。ここで取り違えがおきてしまったのですね。
さらに紛らわしいことに、あくまでグループの名前の総称であって、「レイヨウ」という名の動物は今ではいないそうです。
■監修:新宅広二
1968年生まれ。生態科学研究機構理事長。動物行動学と教育工学を専門にし、大学院修了後に上野動物園、多摩動物公園に勤務。国内外のネイチャー・ドキュメンタリー、動物バラエティー番組の監修を手がけるほか、動物園・水族館などの展示企画・監修を手がける。著書に「しくじり動物大集合」「もっとしくじり動物大集合」(永岡書店)、「いきもの寿命ずかん」(東京書籍)、「すごいぜ!! 動物スポーツ選手権」(辰巳出版)など。近作、映画「アース:アメイジング・デイ」、テレビドラマ「僕らは奇跡でできている」監修。