新型コロナ「全数把握」見直しで陽性者健康サポートセンター開設 報告基準外で急変した場合の不安も

UHB北海道文化放送

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9月26日から、全国一律で新型コロナウイルス感染者の、全数把握の見直しがはじまりました。
 この見直しで、医療機関では負担が軽くなる一方、新たな不安も浮き彫りとなりました。
 国は、9月26日から新型コロナの新規感染者の全数届け出を、全国一律で見直し、報告は、65歳以上や、基礎疾患がある人などに限定しました。
 65歳未満で軽症の人は報告の対象外となります。
 これに伴い北海道は、保健所に代わる機関として、「陽性者健康サポートセンター」を開設。
 看護師30人と電話対応の職員30人を配置し、24時間体制で対応に当たります。
 体調が悪化した場合の相談窓口となるほか、必要に応じて医療機関への引き継ぎを行います。
 道庁の担当:「本当に医療が必要な方は、医療機関などこれまで通りの対応を、棲み分けていければ」
 感染者の情報の入力に追われていた病院からは、期待の声が上がっています。
 とよひら公園内科クリニック 藤本 晶子 院長:「いままで陽性者は全部登録だったので、かなり遅くまで残って個人情報の入力が必要だった。患者の個人情報を入力する時間を短くできるので、その分、患者を診察するほうに時間を回せる可能性がある」
 一方、不安要素もあるといいます。
 とよひら公園内科クリニック 藤本 晶子 院長:「国の基準からこぼれた、個人情報を入れなかった人で、次の日以降、急変した人がいた場合、患者自身は行政に入れる情報だけで拾えるのか心配。また具合悪い人が、携帯で報告できる体力が残っているか心配」
 糖尿病などの基礎疾患や、肥満、喫煙歴など自分が重症化リスクに該当しているか、事前に知る事も重要だと話します。
 9月26日から始まった、新型コロナ全数把握の簡略化。ルールの浸透するまで、まだ時間がかかりそうです。
 北海道の場合、65歳以上の人や入院が必要な人はこれまで同様、保健所が健康観察などを行います。
 一方で、若い人や子どもなどについては、今後は保健所は関与せず、患者自身がスマートフォンなどで、名前などの個人情報や症状を「陽性者登録センター」に登録。その後は「陽性者サポートセンター」が、24時間、電話相談などで対応する。
 万が一、容体が急変した場合は、サポートセンターが保健所と連携して、必要であれば病院の紹介も行う。