かっこいい昭和のビル遺産「渋イイビル」とは

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戦後の高度経済成長期、急激に進んだ東京の都市開発で、個性的なビルが次々に生まれた。
1960~70年代ごろに建設されたこれらのビルが今、「シブい」「味わい深い」と再評価されつつある。
著書「シブいビル 高度成長期生まれ・東京のビルガイド」でその魅力を伝える鈴木伸子氏は、これらのビルを「年を経て円熟味を増した、愛すべきシブい中高年男性」に例える。
この動画では、昭和の面影を残すビルたちを「渋イイビル」と題し、その見どころをポイント別に紹介する。
2020年の東京五輪開催を前に、再開発が進む東京。変わりゆく街のなかで、変わらず存在感をはなつビルの魅力を、今こそ発見してみよう。
<鑑賞ポイント:その1>美しき職人仕事
建材より人件費が安かった時代。だからこそ、現代では実現できない「職人の手仕事」がビルの随所に残されている。
なかでもモザイクタイルは60年代の建築で流行した意匠。1966年に建設された国際ビル(丸の内)のエレベーターホールの壁と天井には、鈴木氏も「美しい」と絶賛する繊細なタイル仕事が残る。
手間のかかった繊細な職人のアートを堪能しよう。
<鑑賞ポイント:その2>渋イイ名店
歴史ある名店たちも「渋イイビル」にはなくてはならない存在。
東京交通会館(有楽町)にはビルのオープン当初から営業する純喫茶「ローヤル」、パレスサイドビル(竹橋)には数々の著名人に愛される老舗「レストラン アラスカ」がある。
散策の合間に、今も昔も変わらない雰囲気と味でひと息つこう。
<鑑賞ポイント:その3>レトロな近未来
明るい希望に満ちた高度成長期。当時の人々が想像した「未来」のデザインは、今の私たちにとって懐かしくて新しい魅力がある。
当時流行した、回転展望レストランもそのひとつ。東京交通会館(有楽町)には、回転展望レストランの「東京會舘 銀座スカイラウンジ」が現存する。子どもだけでなく、大人も童心にかえる楽しい仕掛け。
■監修:鈴木伸子
1964年東京生まれ。元「東京人」副編集長。都市、建築、鉄道、街歩き、食べ歩きなどをテーマに執筆・編集活動を行う。
著書に「シブいビル 高度成長期生まれ・東京のビルガイド」「グッとくる鉄道」(リトルモア)、「中央線をゆく、大人の町歩き」(河出文庫)など。