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※ 視聴回数は1日1回更新されます。白い紙にペンでしたためられていく、驚くほど完璧な美文字。
書き手の正体は……なんと、ロボット。
「PENDROID(ペンドロイド)」と名付けられたこのロボットについて、開発者の佐藤博氏はこう語る。
「単純に言えば『手紙の代筆』をしてくれるロボットです。文章を入力すると、ロボットがペンを使って紙に代筆をします。」
― どんな仕組みなのか?
「ハードウエアは『XY-PLOTTER』という製図用のロボットキットを使用し、そこに独自のソフトウエアを組み合わせています。文字を入力するとそれに該当する『絵』を拾い、ロボットがペンを動かします。」
― なぜ開発を?
「半分は、私自身が字を書くのが面倒くさいので楽をしたい、という気持ちもあったのですが(笑)。とある営業の方の業績が非常に良く、その理由を聞くと、お客様に手書きのはがきを出しているそうで。月に100枚以上書くので、腱鞘(けんしょう)炎になるほどだと。だったらロボットが代筆をすれば……というところからアイデアが生まれました。」
―「手書き」の効果とは?
「人と人とのつながりを作る上で、デジタルではどうしても伝わらないものがある。手書きの文字や絵で、やっと気持ちが届けられる。そのことに、その営業の方は気づいていたのだと思います。」
「私自身、ずっとIT分野の新規事業に携わってきましたが、じくじたる思いだったのは『ITではハートが伝わらない』という点でした。電子メールを読むときの『これは誰が書いたのか』という不安感が手書きの手紙にはなく、送ってくれた人のイメージがふっとわいてくる。そのアナログの良さを、PENDROIDで実現したかったのです。」
― 今後、PENDROIDはどう進化する?
「AI(人工知能)にリカレントニューラルネットという技術があり、文字のストロークを時間軸にそって予測できます。あくまでも予測なので、そこには少しずつ『揺らぎ』が出て、より自然な手書き文字となります。現在その機械学習を進めていますが、最終的には、書き手の字のクセを把握しながら『いつもよりちょっと上手な字』を書く、という状態を技術ゴールにしています。」
ロボットがあなたに代わって手紙を代筆してくれる、そんな時代の到来も近いかもしれない。