童話「3匹のこぶた」をモチーフに小学生たちが裁判体験です。
兄のかたき討ちをしようとした「こぶた」が殺人未遂の罪に問われた裁判の行方は?
「それでは開廷します。被告人は証言台に出てきてください」
裁判官が着用する黒い法服を身にまとっているのは冬休み中の小学生たち。
これは裁判所の仕事を身近に感じてもらうため、北海道札幌市の札幌地裁で行われた人気企画の一コマです。
2024年は「浦島太郎」が題材でした。
竜宮城から帰ってきて玉手箱を開けた浦島太郎が煙を吸って亡くなったことから玉手箱を渡した乙姫様が殺人罪で起訴、懲役10年を求刑されたのです。
そして2025年、注目のストーリーは…
『3匹のこぶたオオカミ殺人未遂事件』
殺人未遂の罪に問われたのは末っ子のこぶた「ブタ三郎」です。
起訴状などによりますとブタ三郎はオオカミが自分の兄たちを食べたと言いふらしているのを聞き、かたきを討つため挑発して鍋に落とすよう仕向けました。
オオカミに全身やけどのケガを負わせたブタ三郎は殺人未遂の罪に問われています。
1月7日の裁判でブタ三郎と弁護人は
「私はオオカミを殺すつもりはありませんでした。信じてください!」(ブタ三郎役)
「ラーメンを作るために熱いお湯が入った鍋を暖炉に置いていただけで、オオカミを殺すつもりはありませんでしたので、無罪を主張します」(弁護人役)
挑発したことは認めたものの、本当に煙突からオオカミが入ってくるとは想定外だったなどとして無罪を主張しました。
一方、検察側は被害者のオオカミに証人尋問を行いました。
「被告人に対して今どのように思っていますか」(検察官役)
「いたずら半分で家に行っただけなのに大やけどをさせられてとても腹が立っています」(オオカミ役)
「被告人の責任は重く懲役5年にするのが相当であると思います」(検察官役)
どう判断するのか。
ちびっこ裁判官たちは頭を悩ませます。
ただそれぞれの考えを尊重するために判決の言い渡しまではせず裁判体験は終了。
裁判長役の男の子は
「将来、裁判長やりたかったのでちょっとやってみて嬉しい」
「(自分だったらどういう判決をする?)ちょっと長すぎるから懲役2年半・執行猶予5年ぐらい」 (裁判長役で参加した小学4年生)
体験後、本物の裁判官と裁判を振り返り意見を出し合いました。
「兄弟を殺されたって思ってる時にいくらお腹空いてるからとはいえお昼ご飯を食べるのはなんかちょっと違う気が」
「防犯対策っていうだけで殺そうとはしてなかったから無罪だと思う」(いずれも参加した小学生)
冬休みの貴重な体験になったようです。