突如、噴出が止まりました。8月8日から、ごう音とともに水が激しい勢いで噴き出していた北海道長万部町の“巨大水柱”。9月26日朝、それが止まっているのが確認されました。
齊藤 健太 記者:「午前7時すぎです。30メートルほど噴き上がっていた水柱は今、ピタッと止まっている状況です。ごう音は全く聞こえません」
8月8日、巨大な水柱が出現したのは北海道南部の長万部町の飯生神社の敷地内です。その高さは30メートルから、40メートルほどにまで及びました。
付近の住民を悩ませたのは、噴出する際の“ごう音”でした。
付近の住民:「耳栓がないと寝られない状態。静かになってほしいなと思っています」
その後の調査で、噴出しているのは水温21.5度の温泉水だと判明しました。
その“巨大水柱”。町によりますと、水の勢いが弱まるなどしていました。
そして26日朝、現場に来ると水の噴出が止まっていて、微量のメタンガスのみが確認されているということです。水柱が消えたことに付近の住民は。
付近の住民:「静かになり良かった。これで止まってくれればいいのだが」
付近の住民:「平和なのはいい。1か月半、朝起きるとめまいがしていた。静かなのは最高」
掘削の専門業者が地中の調査を行っており、今後は水が噴き出していた部分にバルブを取り付けるということです。
長万部町 木幡 正志 町長:「完全に止まったのか、ぶり返すのかわからない。これで噴出が終わったのであればありがたいと思う。これを教訓に、長万部町にある井戸を調査しなければ」
水は止まりましたが、町では再び噴出した場合に備え、騒音対策のための防音パネルの設置作業を予定通り行う予定です。
9月末までの完了を目指していますが、地質調査のため遅れる可能性もあるということです。
また、周辺に飛散する温泉水とガスを分離し、抑え込むための装置の設置も決めました。
10月に着工し、11月上旬の完成を目標にしているということです。
地質学に詳しい北海道立総合研究機構(道総研)エネルギー・環境・地質研究所の高橋徹哉さんによりますと、噴出が止まった理由は2つ考えられるという。
1つ目はガスが自然に抜けて、噴出が止まった。
2つ目は地層が崩壊して、井戸をふさいでしまった。
ガスが抜けきっていた場合はもう噴出することはないということですが、地層が崩壊して止まっていた場合、ふさいだ部分に圧力がかかり、また、噴出が始まる可能性があるということ。