【市街地でもヒグマ目撃】ヒグマ注意報も発令…トウモロコシ30本・肥料約50キロなど食い荒らされる被害も―自治体の判断で可能となる市街地猟銃発砲についてハンターの意見は?〈北海道砂川市〉

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 9日朝、北海道砂川市の農園でクマにトウモロコシなどが食い荒らされる被害がありました。
 砂川市ではクマの出没が相次いでいて、8日からヒグマ注意報が発表されています。
 砂川市に出没したオスのクマ。
 9日朝、同じクマによるものとみられる農業被害がありました。
 「ここにあった肥料は、クマによって引きずられ、こちらの道を挟んで、およそ10m先まで引きずられました。袋は裂かれ、中の肥料はむき出しになっています」(古沢 哲也記者)
 クマの被害があったのは砂川市一の沢の農園です。
 9日朝、農園のオーナーが、クマの足跡が複数あるのを発見しました。
 さらにトウモロコシ30本、肥料約50キロが食い荒らされたということです。
 「クマがこれだけ近くに来て荒らしているのが、仕事をするのでもイヤだよね。ハウス作業をひとりでするときがあるからそういうのが嫌だな」(被害にあった農園オーナー)
 この被害を受けて砂川市のハンター池上治男さんが調査に訪れました。
 「この上を歩いた跡があったんですよ。これフィルムいかれてるのはヒグマの影響ですね。ここに爪の跡あるでしょ。穴空いてる」(北海道猟友会 砂川支部 池上 治男支部長)
 見つかった足跡は幅15センチほど。
 池上さんによりますと畑を荒したのは体長1.6メートルほどのオスのクマ。
 さらに、今回出没したオスのクマの他にも複数頭の子グマを連れた親子グマも出没しているというのです。
 砂川市ではクマの目撃が相次いでいて7月に入ってからは既に13件も確認され8日に「ヒグマ注意報」が出されました。
 出没の場所はJR砂川駅から200メートルほどの市街地にも。
 その理由は―。
 「この時期、今年生まれた子熊をつれた母親は、大きなオスから逃げるような形で、人の生活圏の中にでてきて活動していることは多いと思います」(北海道立総合研究機構 釣賀 一二三さん)
 市街地にクマの出没が相次いでいることをうけ、2025年9月から自治体の判断で猟銃の発砲が可能となります。
 8日に公表されたガイドラインによりますと、猟銃以外の方法での捕獲が困難な場合や人に弾丸が到達する恐れがないなど4つの条件を満たした場合発砲できるといいます。
 これに、北海道猟友会の池上さんは―。
 「建物だらけでしょう。ハンターは誰もやるって言わないわ。街中でどうするのかガイドラインを精査しないといけない」(池上さん)
 今回農園を荒したクマは農作物のある場所を覚えたとみられ、再び出没するおそれがあると警戒が続いています。