自分だけに描ける絵を 悩む若き画家・藤倉朱里さんへ地元出身"大スター"GLAY・TERUさんのエール

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北海道函館市在住の若き画家・藤倉朱里さん19歳。
 東京でも展覧会を開く予定で、活動の幅を広げています。
 そうした中で直面した描くことや生活することの難しさ。
 そんな中、大スターが新たな支えになりました。
 北海道南部の今金町出身で現在は函館市で画家として活動する藤倉朱里さん(19)。
 約3年前、藤倉さんは明石家さんまさんのテレビ番組に出演。
 いとこを描いた作品が高く評価され、画家として歩み始めるきっかけになりました。
 当時、高校2年生でした。
 藤倉 朱里 さん:「なんだこの絵、みたいな。見たことない絵が出てきたと、びっくりされる画家になりたい」
 2022年10月、最大の目標に掲げていた札幌の百貨店で開いた個展では作品16点が売れました。
 藤倉 朱里 さん:「本当ですか」
 購入者:「そのために(個展)開いているんだから頑張って」
 着実にキャリアを積んでいると思っていた矢先…。
 藤倉 朱里 さん:「一生自分のこと嫌いだし。一生多分自信ないなぁって。本当にだめです。全然自信はまったく」
 元々、コミュニケーションをとるのが苦手な藤倉さん。
 人との関わりで疲れがみえていました。
 そして悩みの種はもう一つ。
 藤倉 朱里 さん:「次またやっても来てくれるのかなぁとかがあるので」
 筆1本で生活をしていく難しさに苦しんでいました。
 2022年、開いた個展での収入もいつまで持つか分からない。
 切り詰めた生活が続いていました。
 藤倉さんの収入源の一つである個展。
 2023年も函館での開催に向けて準備を進めていました。
 作品作りを進めていく中で、一つ気がかりなことがありました。
 藤倉さんといえば、奇抜で個性的な作品が特徴。
 しかし、このときは背景が白い作品が多くなっていました。
 新しいスタイルを模索してもがいていました。
 そして迎えた個展。
 作品は3点売れましたが…。
 東京に藤倉さんの姿がありました。
 自身の絵に対する不安や葛藤がある中でも、前に進みたい。
 新たな目標として東京での個展を決めたのです。
 秋の開催を目指し、まずは会場選びです。
 この日は都内のギャラリーを見学。
 自分だったらどこに絵を置いてプロデュースをするか、入念にチェックしていきます。
 今回の東京出張でどうしても見たいものがありました。
 藤倉さんといえば、キリンの絵。
 実際にキリンをみて作品作りに活かそうとしていました。
 元々、キリンが大好き。
 心が安らぐといいます。
 日ごろの疲れをキリンが癒してくれました。
 画家として歩み始めて約2年。
 毎日、キャンバスと対峙する毎日。
 孤独との戦いでした。
 けど「私は1人じゃない」。
 藤倉さんに運命的な出会いが待っていました。
 GLAYのボーカル・TERUさんです。
 自身も絵を描くTERUさん。
 朱里さんを励ましてくれました。
 函館市在住の若き画家・藤倉朱里さん。
 一緒に絵を描いているのは函館が生んだ大スター、GLAYのボーカル・TERUさんです。
 秋に予定している藤倉さんの東京の個展のメイン作品をTERUさんと共同で制作しているのです。
 2人が描いているのはキリン。
 TERUさんはアクリル画、藤倉さんは油彩画で描き進めます。
 なんだか表情が明るくなった藤倉さん。
 自身も実感していました。
 TERUさんの作品は手を使って描かれています。
 その温かさが魅力です。
 TERUさんは自分の描いた絵を前に藤倉さんにエールを送りました。
 自分らしさいっぱいの絵を描いてほしい。
 TERUさんのアドバイスが力を与えてくれました。
 いま東京の個展に向けた作品に向き合っています。
 タイトルは解放者を意味する「Liberator」。
 画家として生きていくことの不安や自分らしさをめぐる悩み。
 新しい出会いで殻を破ることができた。
 包み込むような手はTERUさんをイメージしています。
 この先の未来はどんな色か。
 出会いが与えてくれる彩りを信じて、進みます。