楽天渡辺直人が引退発表、プロ入りの地・仙台で決断

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日刊スポーツ

「松坂世代」最後の野手が、現役生活にピリオドを打った。楽天渡辺直人内野手兼1軍打撃コーチ(39)が今季限りで現役を引退することを決めた。12日、球団が発表した。今季は1軍出場がなかったが、持ち前の明るさでムードメーカー的役割も果たした。トレード、戦力外を経験し2球団をへて、プロの第1歩を踏み出した杜(もり)の都で決断。13日に仙台市内で会見が行われる。
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劇的勝利から一夜明けたこの日の正午。球団から渡辺直が今季限りで現役を退くことが発表された。前夜は延長10回に茂木のサヨナラ弾で勝利。ベンチから誰よりも早く飛び出し、跳びはねながら大はしゃぎしたベテランが、決断を下した。
打撃コーチ兼任1年目の今季は選手としてオープン戦に9試合出場し、開幕1軍メンバー入り。だが、出場はなく、6月25日に登録を抹消された。その後もコーチとして首脳陣と選手のパイプ役、ベンチ内のムードメーカーも果たしながら試合前の打撃、守備練習にも参加していた。
行く先々で、愛された。楽天創設2年目の06年大学・社会人ドラフト5位で入団。当時の野村監督の信頼を勝ち取り、1年目から119試合に出場した。「野村監督に野球を教えてもらったおかげで今の自分がある。本当に感謝しています」。プロの世界で生き抜くための礎を築いた。
10年オフに金銭トレードで横浜(現DeNA)へ。厚い人望から契約更改会見の場で鉄平、嶋らが涙を流し、多くのチームメートが惜しんだ。13年途中には西武へトレードで移籍。17年に戦力外通告を受け、同年オフに楽天へ復帰した。「ファンの方が球場にたくさん来るようになっていたし、チームの活性化、球団としての盛り上がりを感じました」。8年ぶりの帰還にも東北、仙台のファンから変わらずに愛された。
粘り強い打撃、堅実な守備、俊足と3拍子を武器にプロ14年間で通算1134試合に出場。853安打、115盗塁を記録している。19年6月21日DeNA戦での代打を最後に1軍出場はない。阪神藤川も今季限りでの引退を表明。同年代で残るは西武松坂、ソフトバンク和田、楽天久保の3人となる。いぶし銀の輝きを見せた「松坂世代」最後の野手が、ユニホームを脱ぐ。【桑原幹久】
◆渡辺直人(わたなべ・なおと)1980年(昭55)10月15日、茨城県生まれ。牛久-城西大-三菱ふそう川崎を経て06年大学・社会人ドラフト5巡目で楽天入団。10年12月に金銭トレードで横浜移籍。13年7月、長田秀一郎投手とのトレードで西武移籍。17年オフに西武を戦力外となり、楽天復帰。今季は打撃コーチ兼任。07~09、11年に規定打席到達。11年オールスター出場。173センチ、73キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2000万円。