【記録的大雨】「60数年生きてるけど初めて…自然は怖い」北海道に初めて出された線状降水帯の予測「発生なし」も夜が明けると各地で被害があらわに_豊富町では26日の雨量196ミリと“観測史上一番の大雨”

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 局地的な豪雨をもたらす線状降水帯の予測が初めて出された27日の北海道。
 実際の発生はなかったものの、各地で雨による被害が発生しました。
 激しく打ち付ける雨といなびかり。
 午前2時30分ごろの北海道旭川市内です。
 こちらは北海道稚内市、床下の収納スペースが水没し、水が床に迫ってきています。
 「大丈夫ですか?」(記者)
 前線を伴った低気圧の影響で、道北を中心に記録的な大雨となりました。
 北海道豊富町では26日に降った雨の量が196ミリと観測史上一番の大雨となりました。
 豊富町には26日未明から、日本海から活発な雨を降らせる雨雲が流れ込みました。
 その後、気象台は石狩や留萌など日本海側で「線状降水帯」発生の恐れがあると発表しました。
 「日本海側で線状降水帯が発生する可能性が出てきた。大雨災害の危険性が急激に高まる恐れがある」(札幌管区気象台の職員)
 雨雲が連なり、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯。
 2018年に西日本を襲った豪雨では200人以上の死者が出ました。
 ただ、予測は難しく的中率は10%ほどです。
 そして、27日…。
 札幌でも未明から雨が強まりました。
 線状降水帯の発生はありませんでしたが、北海道北部では夜が明けると被害が明らかになってきました。
 「雨が落ち着いた豊富町ですがきのうの大雨の影響が一部残っていて排水作業をしています」(中村 真也記者)
 道路が川のようになっていた豊富町。
 排水作業が進められていました。
 台所の床下収納を開けると…大量に水がたまっている住宅もありました。
 となりの建物は一時床上まで水が上がり、27日はヒーターを使って床を乾かしていました。
 「60数年生きてるけど初めてじゃないか。自然は怖いなって」(被害にあった豊富町民)
 こちらは26日に撮影された映像。
 斜面から流れ出した泥水で住宅前の道が大きく削られてしまいました。
 27日、道はさらに大きくえぐられていて、復旧作業が行われています。
 こちらは稚内市の道道、山から流れ出した土砂が道路に流れ出しています。
 上空からは大雨の爪あとがはっきりと確認できました。
 「かなり広い範囲で浸水しているのがわかります。川との境目が見えなくなるくらい水がたまっています」
 川からあふれた水が一面を覆い、道路が川のようになっています。
 水は住宅地も襲ったことが確認できます。
 26日に降った雨の量が113ミリだった隣の北海道幌延町。
 酪農が盛んな町ですが牧草地は広い範囲で水に浸かっていました。
 「泥が挟まるから草の中に。それで牛が食わなかったり。収穫するといっても畑が乾かないことには草が収穫できないから」(酪農家)
 牛のエサとなる牧草。泥が付着して栄養が落ち、牛乳の生産量が減ることも心配だといいます。