札幌・ススキノのホテルで男性が殺害され一家3人が逮捕された事件で、殺人ほう助などの罪に問われた父親・田村修被告に、検察は懲役10年を求刑しました。
2月18日で10回目を迎えた裁判員裁判。
田村修被告は髪を切ったようにも見えました。
娘の瑠奈被告の犯行を手助けしたとされる修被告に対し、検察は…。
「懲役10年を求刑します」(検察側)
この事件は2023年7月、札幌・ススキノのホテルで頭部を切断された当時62歳の男性の遺体が見つかったもので、娘の瑠奈被告が殺人などの罪、父親の修被告が殺人ほう助などの罪、母親の浩子被告が死体遺棄ほう助などの罪に問われています。
1月14日の初公判で、修被告は起訴内容を否認しました。
「私は事件が起きて娘の犯行を知った」(田村修被告)
4つの罪すべてについて無罪を主張した修被告ですが、事件前、瑠奈被告と一緒にのこぎりなどを購入していたことが分かっています。
「指定された化粧品や物品などを購入したことについては、殺害や死体損壊のために使うものだと思わなかった」(修被告)
また瑠奈被告を車で送迎し、自宅で男性の遺体をビデオで撮影したことや、逮捕されるまで遺体を自宅に置いていたことについては…
「頭部があると知らなかった。持ち帰った後に分かった。隠そうと考えたことはなく、何もできなかった。ビデオ撮影は直前まで何を撮影するか分からなかった」(修被告)
2月18日、検察側は、修被告が「瑠奈被告にどこから遺体を持ってきたのか確認していないのは、犯行の計画を事前に知っていたからで、修被告の関与がなければ計画は実現不可能。『知らなかった』という回答に終始し、反省していない」などとして、懲役10年を求刑しました。
18日は裁判の冒頭で、検察側が被害男性の妻の意見陳述も読み上げています。
「親として自ら何もできないなら、人として警察に通報するべきではないか。もし警察が逮捕できなかったら、どうなっていたのだろうと思う」(被害男性の妻の意見陳述)
一方、弁護側は「修被告には動機がない。ホームセンターで誰でも買えるものを買ったことで『殺人・死体損壊の目的』と推認するのは無理」だとして、改めて無罪を主張しました。
判決は3月12日に言い渡されます。