北海道内で最近、クマの出没が相次いでいます。
目撃情報は石狩地方の当別町や道東の根室市など、道内の広い範囲から寄せられていて、不安が高まっています。
なぜこの時期、クマの出没が相次ぐのでしょうか。
撮影者した人:「ヴィラ(宿泊施設)の横にクマが出ています」
草地を歩く1頭のクマ…。
これは、6月25日午後、石狩地方の当別町のスウェーデンヒルズで目撃されたものです。
付近には住宅街やゴルフ場があり、連日のようにクマが目撃されていました。
クマは26日午前7時ごろに、現場近くの沢で駆除され、目撃されたクマと同一個体と見られています。
さらに…無数の大きな足跡…。
その数は200を超えていました。
足跡の横幅は18センチ以上で、巨大な雄のクマのものと見られています。
足跡が見つかったのは、根室市内の中学校の跡地です。
現場はJR根室駅の南西約2キロで、周辺には住宅街や交通量のある国道も。
ロープにつながれた鉄製のくい2本が引き抜かれていて、クマは24日深夜から早朝にかけて出没したと見られていてます。
また27日も、網走市の畑でクマにビートが食べられるなどの被害が。
同一個体とみられるクマが、現場から数キロ離れた別のビート畑で発見され、ハンターに駆除されました。
先週には胆振地方の白老町の町道を駆けるクマが目撃されるなど、道内各地で相次ぐクマの出没。
最近の暑さも影響しているのでしょうか。
北海道大学大学院 獣医学研究院 坪田敏男教授:「クマにとって暑いことは、あまりいい環境ではないのいで、歩き回ることはない。因果関係はわからない」
クマは涼しい環境を好み、暑さの中では行動が鈍るといいます。
では相次ぐ出没の理由は?
北海道大学大学院 獣医学研究院 坪田敏男教授:「いまはちょうど餌環境が悪い時期なので、餌を求めてフラフラと歩き回る」
例年6月から7月の時期は、少しでもおいしい野草や果実を求めて歩き回るのだといいます。
北海道大学大学院 獣医学研究院 坪田敏男教授:「クマはちょっとした林などを伝って出てきます。クマが出てくるかもしれないと常に念頭に置いておく」
クマは早朝と夕方に行動が活発になるといいます。
山や林に出かける際は、身を守るための備えが大切です。