健康な赤ちゃんが眠っている間に…危険な“乳幼児突然死症候群” 発症リスクを低くするためには

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赤ちゃんが眠っている間に死亡する「乳幼児突然死症候群」。
 北海道釧路市で起きた保護責任者遺棄事件で死亡した生後4か月の赤ちゃんも、その可能性が高いことがわかりました。突然死を防ぐためには?
 眠っている間などに突然赤ちゃんが死亡する乳幼児突然死症候群。
 2019年には全国で78人の乳幼児が亡くなっています。
 北海道民:「人ごとには思えなく怖い」
 北海道民:「突然起こることなので、親としては『びっくり』の一言」
 釧路市で起きた保護責任者遺棄事件。
 両親が2人の子どもを半日以上自宅に放置した疑いが持たれています。
 生後4か月の赤ちゃんはその後死亡。捜査関係者によると乳幼児突然死症候群の可能性が高いことがわかりました。
 円山ため小児科 多米 淳 院長:「乳幼児に病気が何もなくて、きちんと様子を見ていたという場合でも起こりうる」
 乳幼児突然死症候群とは基本的に1歳未満の健康な赤ちゃんが、主に眠っている間に突然亡くなってしまう原因不明の病気です。
 日本では6000人から7000人に1人の割合で発症し、生後2か月から6か月に多いとされています。
 円山ため小児科 多米 淳 院長:「原因が不明なので、根本的な予防法は現在のところない。発症率を低下させることが厚労省でいくつか提言されている」
 厚生労働省が乳幼児突然死症候群の発症率が低くなるデータがあると発表した3つのポイントです。
 一つ目は「1歳になるまでは、あおむけ寝」。
 厚労省によると乳幼児突然死症候群は、うつぶせに寝かせたときの方が発症率が高いことが研究者の調査でわかっているといいます。
 円山ため小児科 多米 淳 院長:「うつぶせは窒息の原因にもなるし、顔が見えない。乳幼児の表情・呼吸の状態・顔色など、あおむけの方が見やすい」
 医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、あおむけに寝かせることを推奨しています。
 二つ目は「たばこをやめる」。
 厚労省によると、母乳で育てられている赤ちゃんの方が乳幼児突然死症候群の発症率が低いことが研究者の調査でわかったといいます。
 できる範囲での母乳育児を勧めています。
 コロナ禍が乳幼児突然死症候群のリスクを高めた背景もあるといいます。
 円山ため小児科 多米 淳 院長:「乳幼児健診・母親教室・父親教室など、行政の支援が中止や延期になっている。乳幼児突然死症候群の知識を伝える機会がコロナ禍で少なくなった」
 子育てに不安なときは、行政や医療機関などに積極的に相談することが大切です。
 ※厚生労働省はできる範囲での母乳育児を推奨していますが、さまざまな事情で母乳で育てられない人もいます。乳幼児突然死症候群の原因はわかっていないので、必要以上に心配しないでください。