北海道で12月から路線バスが大幅減便「遅延すると間に合わない」 運賃も値上げでダブルパンチ…路線維持の取り組みも 運転手確保のイベントに50人以上参加 行政が赤字補填も

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 北海道中央バスは、12月1日から札幌市清田区の住宅街と地下鉄・福住駅を結ぶ路線で、午前7時台の便を6便から5便に減らしました。JRや地下鉄の路線がなく、バスが重要な公共交通となっている清田区だけに影響は少なくありません。
 「高校に遅れるのは不安。なるべく便数は、そのままがいい」
 「混んで遅延すると間に合わないことも増え大変」(いずれもバスの利用者)
 路線バスは運転手不足などの影響で、12月からまた大幅な減便となりました。
 札幌圏では大手3社で、あわせて329便減っています。
 札幌市内の路線バスは2013年度には1日1万便を超えていましたが、2023年度は7600便ほどに。10年で3割近く減っています。
 また、運賃の値上げが追い打ちをかけています。札幌市内では均一運賃が30円アップ。消費税増税時を除くと27年ぶりの値上げとなり、ダブルパンチです。
 「負担は大きくなる。全体的に値上げの風潮だからしょうがないと受け止めている」(バスの利用者)
運転手の就活イベントも開催
 路線バスの在り方が問われる中、こんな取り組みも。
 11月30日、札幌市中央区で開かれたバス運転手の就活イベントです。例年開催されていますが2024年は初めて2回開催され、これまでで最も多い21社が集まりました。
 
 北海道バス協会によりますと、北海道のバスの運転手は30年前の8000人をピークに減り続け、2023年は約5400人と3割以上減っています。
 イベントには予想を上回る50人以上が集まりました。
 「大きいバスを運転するのが幼いころからの憧れ」
 「子どものころからバスが好きだった。地域の交通手段を担える仕事は魅力的だと感じた」(いずれも参加者)
 就職してからの待遇面に注目する参加者も。
 「年間休日が105日で、他と比べたら多くて魅力的」(参加者)
 「待遇改善は賃金も上げなければいけないが、普段の働き方も重視している」(ジェイ・アール北海道バス 担当者)
 北海道のバス運転手の2023年の平均年収は約340万円で、全産業の全国平均よりも160万円ほど低い水準。これが運転手不足につながっているとみられています。
 2025年度からはバス会社の赤字は札幌市が一部を除き全額補助する方針で、各バス会社も賃金アップを目指しています。
 今回のイベントの手ごたえは。
 「参加者数は正直1桁ぐらいかなと思っていたが若い人も来て、採用試験につながりそうな人や脈ありの人もいて、とてもありがたい」(ジェイ・アール北海道バス 担当者)
 バス路線維持のための取り組み。模索が続きます。